C1 気候モデルの高度化と気候・環境の長期変動に関する研究

  • 副課題1:地球システムモデルの高度化による気候・環境変動予測の高精度化
  • 副課題2:地域気候モデルによる気候変動予測に関する研究

期間

平成26年度~平成30年度(5年計画第1年度)


研究代表者

中村誠臣 研究調整官


担当研究部

副課題1:気候研究部、予報研究部、環境・応用気象研究部、海洋・地球化学研究部
副課題2:環境・応用気象研究部


目的

地球温暖化による全球および地域レベルの気候・環境変化に関する情報の作成と適応策の策定に貢献する。


C1 概念図

目標

シームレス化を目指して気候再現性とともに短期・季節の予測精度に優れた高精度の 地球システムモデルを開発し、数年から数十年、さらに長期の気候・環境変動を対象と する予測を行う。プロセスレベルの解析や古気候実験、各種感度実験を実施し、気候変 動およびそれに関連する気候と物質循環の相互作用に関わるプロセスやメカニズムを解 明する。

地域気候モデルを高精度化・高分解能化し、地球温暖化に伴う21 世紀の気候変化予測 を詳細に行う。より信頼度の高い予測データを得るための手法を開発するとともに、デ ータの活用に必要な信頼性情報を開発し提供する。また、異常気象をもたらすような地 域的な気候現象の予測可能性を調べる。 得られた成果により「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」報告や気象庁温暖化業 務に寄与する。


平成26年度の目標

(副課題1) ① 放射、積雲対流、雲物理、雪氷物理、陸面・植生などの大気大循環モデルの各物理過程を改良・高度化する。平行して、気象庁現業全球モデルGSAM フレームに地球システムモデルの各コンポーネントを移植する作業をすすめる。
② 地球システムモデルで短期〜季節ハインドキャスト実験を可能とする初期値化実験システムの構築を行う。
③ 気候変動および気候と物質循環の相互作用に関するプロセスやメカニズムの解明を行う。
 ・雲微物理過程と大規模場の相互作用に関する実験および解析
 ・成層圏気候変動に関する実験および解析
 ・古気候実験および解析
 ・気候予測の不確実性に関する実験および解析
 ・大気− 化学− エーロゾル相互作用に関する実験および解析
 ・陸域炭素循環過程に関する実験および解析
④ 全球非静力学フレームに基づき、温暖化予測の不確実性低減を目指した次世代気候モデルの開発を行う。
(副課題2) ① これまで行ってきた5km 分解能のMRI-NHRCM の現在気候再現実験の結果を解析することで系統的誤差を発見し、その修正方法を検討する。また、分解能を高めた時に、現在気候の再現性が向上するような物理過程の選択、改善、パラメーターのチューニング等を行う。
② CMIP5 のSST をクラスター分類し、それをMRI-NHRCM の下部境界条件として与え、4 メンバーによるアンサンブル実験の計算を行う。
③ 5km 分解能NHRCM の計算結果において、だし風、おろし風、フェーン等の地方固有の気象現象の将来気候変化の予測可能性を検討し、それを実現するためには何が必要であるかを調査する。

研究計画の詳細は以下のファイルをご覧ください。

気候モデルの高度化と気候・環境の長期変動に関する研究_研究計画(PDF 604KB)



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