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気象研究所研究開発課題評価報告

環境要因による局地気候変動のモデル化に関する研究

中間評価

評価年月日:平成29年2月6日
  • 副課題名1 都市キャノピーモデルの高度化
  • 副課題名2 地上観測値の空間代表性に関する研究

研究代表者

清野直子(環境・応用気象研究部 第二研究室長)

研究期間

平成26年度~平成30年度

中間評価の総合所見

pdfファイル:165KB

研究の動機・背景

平成25年に「ヒートアイランド対策大綱」が改訂され,ヒートアイランド対策として「人の健康への影響等を軽減する適応策の推進」が新たに追加された。例えば熱中症の予防に向けた「暑さ指数の予報値提供」や,暑熱緩和策として「緑のカーテンの取組」など微気候的な対策が例示されている。このような対策の効果的な推進のため,都市や街区の気象に関するきめ細かい情報の提供が求められている。

また,2013年9月にIPCC第5次評価報告書の第1作業部会報告書が採択され,地球温暖化が進みつつある状況が確認された。これを受け,気候変動に関するより精緻な情報の提供が必要である。

(副課題名1)都市キャノピーモデルの高度化

気候モデルの高分解能化・精緻化が世界的に進められる中,都市気象モデルについても物理過程の多様化や高精度化が要請されている。また,都市気象モデルに装備された都市キャノピーモデルと,地域気候モデルに装備されている陸面モデル(SiBなど)をシームレスに融合し,都市圏広域の気候を現実的に再現できるモデルを構築することが課題になっている。

地球環境・海洋部のヒートアイランド監視業務に対しては,これまでもNHMへの都市キャノピーモデル導入などの形で関わってきており,今後もモデルの高度化が要請されている。将来気候予測に資する地域気候モデルに組み入れる都市キャノピーモデルの提供も必要とされている。

(副課題名2)地上観測値の空間代表性に関する研究

長期的な気候変動の監視や,地域気候モデルの精度評価に当たり,地上気象観測データの品質や代表性の確保が必要である。そのため,観測データに対する環境条件や観測手法の影響を定量的に評価することが求められる。

観測部では,気候変化の監視の観点から地上気象観測における周辺環境の評価が進められており,これを支援する微気候的な知見の提供が求められる。

研究の成果の到達目標

(副課題名1)都市キャノピーモデルの高度化

都市キャノピーモデルを改良し、領域気候モデル等の精度向上に資する。

(副課題名2)地上観測値の空間代表性に関する研究

観測環境等に対応した地上気温等の観測値の変動実態を明らかにし、観測運用およびモデル検証の向上に資する。

1.研究の現状

(1)進捗状況
(副課題名1)都市キャノピーモデルの高度化

① 都市域の地表面過程をモデルで適切に表現するために開発された都市キャノピースキーム(Square Prism Urban Canopy scheme; 以下SPUC, Aoyagi and Seino, 2011)の高度化を進めた。この改良されたSPUCスキームは、気候シミュレーションや首都圏の都市化が降水に及ぼす影響の評価実験に活用された。また、顕著な高温や局地的大雨事例等を対象に、観測との比較を行い、再現性能評価を進めている。

② 非静力学地域気候モデル(NHRCM)に実装されている最新版SPUCを非静力学モデル(NHM)へ再実装し、両モデルで同一の都市キャノピーモデルが実行できるようにした。また、リスタートに関連するバグを修正した。さらに、長期気候計算だけでなく、ヒートアイランド監視モデル等としての短期積分時の性能向上を図るため、SPUCの予報変数を次の初期値に引き継ぐサイクル実行にむけた開発に着手している。また、NHM最新版(r3752)をNHRCMへ反映した。

(副課題名2)地上観測値の空間代表性に関する研究

① 観測環境が地上気温に与える影響を調べる目的で、気象庁構内の大手町露場内2地点(露場中央、露場東端)と本庁ビル屋上における気温等の都市微気候観測を当初計画通り実施している。露場内における風通しと気温の関係を調査するため,露場中央と東端の2ヶ所に2次元超音波風向風速計を平成26年6月に設置し,露場内風向風速データの取得を開始した。

② 気温・風向風速データを蓄積し、露場における風向風速(地上高度2.5 m)が直近の構造物等によりどの程度影響を受けているのか解析を進めた。平成28年7月から12月にかけて、大手町露場内2地点において放射の連続観測を実施した。放射観測にあわせて、サーモカメラによる地表面温度の観測を晴天日に数日行ったほか、露場とその周辺を毎月一度以上のペースで撮影し記録した。

③ 大手町の露場内2地点(露場中央、露場東端)で確認された気温の違いの実態や要因を明らかにするため、露場内の気温の高度分布および地表面温度の測定を実施することとし、そのための手法を検討した。日射の影響を受けずに精度良く気温分布の観測を行うため実績や経費などを考慮して極細熱電対を用いた測定を行うこととし、測定システムの基本的特性に関する調査を行い日射や風が観測値に及ぼす影響を評価した。既往研究で使われていたものよりもさらに細い熱電対を用い、従来指摘されていたよりも日射の影響が大きいが、現業で用いられる通風筒とほぼ同程度の日射影響にとどまることが示唆された。

④ 平成28年度に、極細熱電対により大手町の露場で9回の気温の高度分布・地表面温度観測を実施した。地表面温度の変化に対応した鉛直分布の変化が観測された、今後解析をすすめ、1.5 m高度気温の支配要因を特定していく。

⑤ モデルと観測値の違いの観測所設置環境依存性を評価する観点から、データの収集・解析の準備を進めた。

⑥ 地上気象観測環境の歴史的推移を考察するため、これまで観測環境等が明らかにされていない日本の初期観測状況を調べた。函館(1872年)東京(1875年)長崎(1879年)の創設時の観測所について、資料や写真等により当時の観測環境等を調べ、現在の観測環境との相違が明らかになりつつある。

⑦ 世界各国における地上気象観測環境の現状について文献のほかにWMOの技術会合への参加、観測部のWMO/CIMOの専門家とも情報交換しながら情報収集につとめ、WMO観測設置環境分類などの国際的動向の取りまとめを進めた。

(2)これまで得られた成果の概要
(副課題名1)都市キャノピーモデルの高度化

① 都市キャノピースキームSPUCを、非静力学モデルNHM及び非静力学地域気候モデルNHRCM上で、植生キャノピースキームSiBと併用できるよう改良を行った。

② SPUCに、都市キャノピー内の地面及びビル屋上面の融積雪過程を導入した。Järvi et al.(2014)を基礎とし、NHRCMへのオンラインカップリング時にも計算不安定を抑制するためのいくつかの工夫(地表面熱輸送量の制限、融雪・圧密等に関するパラメータの調整など)を行った。2006年~2007年の冬季を対象とした性能評価実験をから、冬季札幌の地上気温の再現性が向上すること、地点により積雪深の再現性には差があることがわかった。

③ SPUCを用いた都市効果の感度実験が可能となるよう、スキームの適用域や人口排熱の与え方の設定に関する拡張を行った。

④ SPUCを導入した水平格子間隔2kmのNHMにより、都市の高温偏差が降水に及ぼす影響に関する考察を進めた(A1副課題3との連携研究)。現実的な都市条件を与えたSPUC実験と都市効果を低減させた平板実験との比較から、東京都心付近の8年間の8月平均降水量はSPUC実験で有意に多く、都市の1 ℃の高温偏差が降水を1割程度増加させることを示唆する結果が得られた。降水強化の要因を探るため、先行降水のない午後の降水事例(68例)を抽出し、降水開始1時間前の気象場のコンポジット解析を行った結果、都市中心域では高温・低圧偏差に対応する水平収束および上昇流の強化が生じるいっぽう、下層水蒸気量の増加はわずかで、この比較実験においてはヒートアイランド循環の強化が都市中心域の降水増加に大きく寄与していたことがうかがえる(Seino et al., 2016)。

⑤ 夏季の高温分布に対する情報となる暑熱環境評価指標のひとつで、国内で暑さ指数として広く利用されている湿球黒球温度(WBGT)の診断スキームをNHRCM に導入した。

⑥ SPUCを用いたNHMによる都市域の再現性について、中部日本域で対アメダス地上気温検証により確認を行った。また、都市域の混合層構造について観測事例との比較を行った。東京とその近郊における2011年10月4日のゾンデ観測結果との比較から、SPUCの導入によって、東京都区部での混合層高度の過小評価を改善することが確認できた。しかし、SPUC導入後でも、観測に比べ、午後の混合層高度は低く、混合層内の温位はやや高い傾向が見られた。

⑦ 最新版SPUC(上記①~③を反映)が導入されたNHM (r3752) を、次期NAPS10におけるヒートアイランド監視モデル(Nhucm)への利用にむけて気候情報課に提供した。また、本庁Nhucmシステムを気象研へ移植し、相互連携を容易に行えるようにした。

⑧ 最新版SPUCのパフォーマンスを調べるために、2013年8月11日東京の最低気温30.4℃に対する都市モデルの再現性を調べた。都市キャノピーモデルは、平板モデルに比べて、ヒートアイランドの表現(夜間から早朝にかけての気温低下の抑制)が良かった。その原因は、都市空間へのビル壁面からの顕熱フラックスが重要であることがわかった。

(副課題名2)地上観測値の空間代表性に関する研究

① 大手町露場内2ヶ所の強制通風式温湿度計で得られた気温データの比較から,露場内では夏季の日中を中心に植栽に囲まれた露場東端の気温が高い傾向にあり、気温差はその時刻までの積算全天日射量と正の相関があった。また、日射が多い夏季晴天日においては、露場中央の風速が1~3 m/sの場合に気温差が大きくなりやすく、同風速が強め(3 m/s以上)の日は露場内の気温差が該当月平均より小さめ(概ね 0.5 ℃以下)となる傾向があることがわかった。これは、気温差が日射以外に、風の場による影響も受けていることを示唆する。

② 高層ビルの影に入る時間が2ヶ所の温湿度計で異なることを利用し,ビル影の影響で生じる気温差が夏季昼過ぎの月平均時別値で最大0.2 ℃程度であると算出した。露場に影が落ちない時間帯の気温差は月平均で最大0.5 ℃であり,ビルによる日向日陰の影響と、それ以外の温湿度計の設置環境の違いによる影響をそれぞれ評価することができた(志藤ほか, 2015)。

③ 露場東端の風速は露場中央の1/3程度と弱く、風配に関しても露場中央では季節によ らず南風が卓越するのに対し、露場東端は東風となる日が多いことがわかり、露場内の風向風速の違いが定量化できた(志藤ほか, 2016)。

④ 大手町と北の丸の気温データ比較解析を行った。夜間において北の丸露場の気温が大手町露場に比べ平均1 ℃以上低く、日中については夏季から秋季(6 月から11 月)にかけては0.5 ℃以内の低温が続くのに対し、冬季から春季(12 月から5 月)にかけて0.1~0.5 ℃程度、北の丸の気温が高くなる時間帯が3~6 時間程度続き、季節による違いが大きくなることがわかった。

⑤ 大手町における気温観測のうち露場中央のものは、平成26年12月1日までの東京観測点の現業観測を引きついだものであり、観測部・東京管区気象台と協力して観測の継続と観測環境の整備を行った。

⑥ 日射の影響が非常に小さい極細熱電対を用い、現業通風筒と同等の精度で気温の詳細な鉛直分布等を測定できるシステムを構築し、露場1.5 m高度気温の支配要因を特定していくために必要なデータを取得できるようになった。これによりこれまで9回の気温の高度分布・地表面温度観測を実施し、地表面温度の変化に対応した鉛直分布の変化を捉えられた。

⑦ モデルと観測値の違いの観測所設置環境依存性を解析・評価するため、利用可能な設置環境指標として、地形因子や土地利用分類、観測部が実施したWMO観測設置環境分類の試験的調査の結果などのデータを収集した。

⑧ 観測環境(観測所および測器設置条件)は世界中で異なり、わが国でも温度計地上高ひとつ取ってみても時代とともに変遷が見られることがわかってきた。過去や世界の観測データを利用する上で、これらの相違に対応した観測データへの影響を検討する必要性を確認した。

(3)当初計画からの変更点(研究手法の変更点等)

① 露場内の放射環境を水平二次元で把握するためにサーモカメラを用いた露場表面の撮影を、熱電対観測の日にあわせて行った。

② 観測値への影響の観点から考慮すべき観測環境そのものについて明確化する必要性から、過去からの推移・現状や世界各国の動向を把握することから始めた。

(4)成果の他の研究への波及状況

① 文部科学省委託事業「気候変動リスク情報創生プログラム」(以下、創生プログラム)において、本研究課題で高度化したSPUCスキームとWBGT診断スキームが導入され、2km格子間隔での現在気候及び将来気候シミュレーションが実施された。

② 都市が降水に及ぼす影響の評価については、A1副課題3との連携により実施し、その知見を創生プログラムに提供した。

③ 気候情報課のヒートアイランド監視業務において毎年刊行されている「ヒートアイランド監視報告」の作成にあたり,内容や解析結果に関する助言を行った。また、同業務への協力のため、都市の気温や湿度等の経年変化、降水への都市化影響に係る研究の現状について情報提供を行った。同業務で使用するヒートアイランド監視モデルにはSPUCスキームが採用されており、技術協力としてSPUCスキームの改良状況についても情報共有を行っている。

④ 気象庁構内における都市微気候観測及び北の丸露場での観測データとの比較解析から、観測環境要因による観測値への影響に関する知見を、気象庁観測部の観測技術開発課題「低木植栽等周辺環境と露場内微気象に関する調査」(平成26年度~平成27年度)に提供した。

2.今後の研究の進め方

① 副課題1での都市キャノピースキームの高度化についての全般的な方向としては、気候シミュレーション、ヒートアイランド監視、顕著現象の解析に加え、将来的な短期予報上の利用可能性も視野に入れ、それぞれに適した改良や、再現性の向上を図る。

② どのようなモデルの高度化が再現性向上につながるのかを評価するツールとして、陸面モデル単体で動作するオフライン数値実験システムの構築を進める。

③ 平成29年度末のNAPS更新を踏まえ、次期NAPS上でのヒートアイランド監視モデルの性能向上に向けた技術協力を継続し、SPUCスキームの再現性の確認や改良を進める。

④ 都市域における温暖化緩和策や詳細な暑熱分布情報へのニーズに応えるため、SPUCスキームを活用し、感度実験等に取り組む。

⑤ 副課題2(地上観測値の空間代表性に関する研究)の都市微気候観測については縮小し、これまでに取得されたデータを基に、副課題1における参照データとして利用を図る。

⑥ オフラインモデル数値実験システムと都市微気候観測データを組み合わせることによって、大手町露場の観測で得られた特徴のモデルによる再現や一般化を検討する。

⑦ 観測環境の状況についてこれまでわかったことの取りまとめを行うとともに、気温観測を対象に観測値の変動実態を明らかにする。

3.自己点検

(1)到達目標に対する進捗度

① 都市キャノピーモデルの高度化として、当初計画に沿ってSPUCスキームのSiBとの併用化や、降雪期(域)シミュレーションに必要な融積雪過程の組み込みを進め、都市域に対する気候シミュレーションや都市の降水に対する影響評価に着実に貢献した。

② 一方、SPUCスキームにおけるモザイク化手法は、開発が遅れている。

③ モデルと観測結果の比較から、SPUCスキームが従来手法に比べ都市域のヒートアイランド再現性を向上させることが示されたが、都市域の大気混合層高度の過小評価があることもわかった。気候的観点、短期予報上の双方の観点から、都市気象の再現性を向上させる取り組み(たとえば、より詳細な都市地表面情報や力学的効果の反映など)を行っていくべき余地は少なくない。

④ 陸面モデル単体で動作するオフライン数値実験システムの開発については、計画より進捗が遅れている。今後のモデル開発の効率化のため、早期にオフラインモデルの構築を進める必要がある。

⑤ 都市微気候の変動実態を明らかにするために継続中の大手町露場における観測と解析は概ね順調に進んでいる。モデルでの利用やこれまで得られた成果のとりまとめが見込まれる。

⑥ 観測環境等に対応した観測値の変動実態の調査はこれから着手する状況である。

(2)研究手法の妥当性

① 陸面モデルの一部として都市域を適切に表現できるスキームは、様々な用途でのニーズがある。モデルの再現性向上にインパクトの大きい物理過程を見出し、スキーム改良を効率的に進めるために、オフライン数値実験システムの活用を図る必要がある。

② 地上観測値の空間代表性の研究のうち,大手町露場で行われた長期並行観測結果から,過去にほとんど類例のない知見が得られている。露場内2地点の気温・水平風速だけでなく、極細熱電対観測による詳細な気温データを取得することで、露場内の気温差と風速変動との対応関係の解析を進め,論文として発信していくことが望まれる。

③ 観測環境等の歴史的推移や世界的な実状把握は必要なことであったとは考えているが、観測値の変動実態の調査についても、より早期に着手すべきであった。

(3)成果の施策への活用・学術的意義

① 気候情報課のヒートアイランド監視業務において実施されてきた大都市圏のシミュレーション結果は、気候情報課と地方自治体担当者との情報交換を通じ、ヒートアイランドの実態把握等に活用されている。

② 創生プログラムにおいて、都市域にSPUCスキームを適用し実施された気候シミュレーションの結果は、先進的な学術成果であるとともに、地球温暖化に対する施策立案に貢献するものである。また、気候変動適応技術社会実装プログラム(SI-CAT)等により、地方自治体の温暖化適応策・緩和策への取り組みが推進されるなか、都市化影響の評価のための気候シミュレーションへの活用も期待される。

③ 都市への人口集中はアジアなどを中心に今後も続くと予測され、都市の脆弱性低減への関心は高い。世界気象機関(WMO)の世界気象研究計画(WWRP)では、実行計画(Implementation plan 2016-2023)において、取り組むべき4課題の1つに都市化(urbanization)を挙げ、都市特有の構造を考慮し豊富なデータを活用したモデリングの推進と、社会への適切な情報発信の必要性を指摘している。

④ 観測環境による気温への影響は、観測環境の基準を再検討する際に必要な基礎的知見である。都市域の気温観測値の上昇トレンドを、地球温暖化・都市高温化・観測環境等に分けるために、その大きさの把握を学術的な意味で避けては通れない。

⑤ 気候変動の解析のため過去データの発掘・利用が進みつつあるが、観測データの取得方法の現代日本のものとは異なることに留意する必要性の存在を注意喚起しうる。

(4)総合評価

副課題1における都市キャノピースキームの高度化と副課題2の都市微気候観測を中心にそれぞれ一定の成果を上げているが、取り組みの遅れている点については、両副課題の連携を強化して取り組む必要がある。

4.参考資料

4.1 研究成果リスト
(1)査読論文 :8件

1. Seino, N., T. Aoyagi, H. Tsuguti, 2016: Numerical simulation of urban impact on precipitation in Tokyo: How does urban temperature rise affect precipitation?. Urban Climate. (in press)

2. Fujibe, F., 2015: Comments on Anthropogenic heat release: Estimation of global distribution and possible climate effect by Chen B. et al.. Journal of the Meteorological Society of Japan, 93, 501-503.

3. Adachi, S. A., F. Kimura, H. Kusaka, M. G. Duda, Y. Yamagata, H. Seya, K. Nakamichi, and T. Aoyagi, 2014: Moderation of summertime heat island phenomena via modification of the urban form in the Tokyo metropolitan area.. Journal of Applied Meteorology and Climatology, 53, 1886-1900.

4. 志藤文武・清野直子・山本哲・藤部文昭・青栁曉典, 2016: 植栽・周辺構造物による風通しの変化が気温観測に与える影響. 風工学シンポジウム論文集, 24, 91-96.

5. 工藤佳奈子, 藤部文昭, 2015: 都市気象官署における長期気温上昇率の時刻別・ 気象条件別評価―JRA-55データを利用した52年間の解析―. 日本ヒートアイランド学会論文集, 10, 16-23.

6. 菅原広史, 相曽豪夫, 小田僚子, 清野直子, 2015: 都市と郊外における日中の大気加熱量比較. 日本ヒートアイランド学会論文集, 10, 1-5.

7. 志藤文武, 青栁曉典, 清野直子, 藤部文昭, 山本哲, 2015: 植栽・構造物が気温観測統計値に及ぼす影響ー東京(大手町)における通年観測ー. 天気(論文・短報), 62, 403-409.

8. 青栁曉典, 泉敏治, 酒井哲, 永井智広, 2014: ドップラーライダーDBS計測による都市域の粗度長とゼロ面変位高の推定. 風工学シンポジウム論文集, 23, 43-48.

(2)査読論文以外の著作物(翻訳、著書、解説):5件

1. Seino, N., T. Aoyagi, and H. Tsuguti, 2014: Urban impact on summertime precipitation in Tokyo: Numerical simulation using NHM and the Square Prism Urban Canopy scheme. CAS/JSC WGNE Research Activities in Atmospheric and Oceanic Modelling , 44, 407-408.6.

2. 足立幸穂, 菅原広史, 竹林英樹, 大橋唯太, 伊東瑠衣, 志藤文武, 山本哲, 足永靖信, 2016: 第9回国際都市気象会議(ICUC9)報告. 天気, 63, 185-193.

3. 青栁曉典, 2015: 気象分野におけるヒートアイランド研究-この10年,これから10年-. 日本ヒートアイランド学会誌, 10, 32-33.

4. 青栁曉典, 2015: 冬季と夏季のヒートアイランド現象. ヒートアイランドの事典-仕組みを知り,対策を図る-, 42-43.

5. 青栁曉典, 2015: 都市化に伴う気候変化. 隔月刊誌「地球温暖化」, 35, 46-47.

(3)学会等発表
ア.口頭発表

・国際的な会議・学会等:3件

1. Seino, N., R. Oda, H. Sugawara, T. Aoyagi, and M. Deushi, Observations and numerical modeling study of urban meteorology in Tokyo, 8th International Workshop on Air Quality Forecasting Research, 2017年1月, カナダ, トロント

2. Seino, N, H. Sugawara, R. Oda, T. Aoyagi, and H. Tsuguti, Numerical simulation of urban impact on summertime precipitation in Tokyo: How does urban temperature rise affect precipitation?, Third International Workshop on Tokyo Metropolitan Area Convection Study for Extreme Weather Resilient Cities (TOMACS/RDP), 2016年2月, 東京都千代田区

3. Aoyagi, T., Recent progress of urban modeling research at MRI/JMA - Model development and its applications for urban meteorology and climatology of Japanese cities, International Conference on Urban Meteorology, 2015年10月, 韓国, 済州島


・国内の会議・学会等:13件

1. 山本哲, 極細熱電対による気温観測における日射/放射影響の評価 , 日本気象学会2016年度秋季大会, 2016年10月, 名古屋市

2. 山本哲, 御雇英人ジョイナーによる東京での気象観測, 日本気象学会2016年度秋季大会, 2016年10月, 名古屋市

3. 新藤永樹, 2013年8月11日東京の最低気温30.4°Cに対する都市モデルの再現性, 日本気象学会2016年度秋季大会, 2016年10月, 愛知県名古屋市

4. 山本 哲, 地上気温観測における日射/放射影響の評価 ―マイクロ波放射計輝度温度利用の検討―, 日本地球惑星科学連合2016年大会, 2016年5月, 千葉県千葉市

5. 山本 哲, 「百葉箱」の語源について, 日本地球惑星科学連合2016年大会, 2016年5月, 千葉県千葉市

6. 志藤文武・清野直子・青栁曉典・山本哲・藤部文昭, 東京大手町露場の気温分布と風速との関係, 日本気象学会2016年度春季大会, 2016年5月, 東京都

7. 清野直子, 青栁曉典, 津口裕茂, 首都圏の夏季降水に対する都市の効果(4)-コンポジット解析による降水強化要因の考察-, 日本気象学会2015年度秋季大会, 2015年10月, 京都府京都市

8. 山本哲, 東京気象台1875(明治8)年観測開始期のメタ情報(2), 日本気象学会2015年度春季大会, 2015年5月, 茨城県つくば市

9. 山本哲, 温室効果気体の演示/実験概観, 日本気象学会2014年度秋季大会, 2014年10月, 福岡県福岡市

10. 山本哲, 世界各国における地上気象観測環境基準の現状, 日本気象学会2014年度春季大会, 2014年5月, 神奈川県横浜市

11. 藤部文昭, 東京都における熱中症死者多発日の気温特性, 日本気象学会2014年度春季大会, 2014年5月, 神奈川県横浜市

12. 藤部文昭, 長期観測データから見た異常気象, 学士会夕食会, 2014年4月, 東京都千代田区

13. 藤部文昭, 東京の局地気象を考える, 日本ヒートアイランド学会第14回プライムセミナー, 2014年4月, 東京都目黒区

イ.ポスター発表

・国際的な会議・学会等:7件

1. Yamamoto, A., Evaluation of radiative effect on the measurement of the surface air temperature by thermometers using the ground-based microwave radiometer, 2016 Technical Conference on Meteorological and Environmental Instruments and Methods of Observation, 2016年9月, スペイン, マドリード

2. Shido, F., A. Yamamoto, T. Aoyagi, N. Seino, F. Fujibe, An observational study of the influence of nearby plants and artificial structures on the surface air temperature, 2016 Technical Conference on Meteorological and Environmental Instruments and Methods of Observation, 2016年9月, スペイン, マドリード

3. Aoyagi, T., Development of a snow pack scheme for urban canopy model used in the Non-hydrostatic Regional Climate Model, International Workshop on Downscaling: Issues in Downscaling of Climate Change Projection, 2015年10月, 茨城県つくば市

4. Aoyagi, T., N. Seino, F. Shido, and H. Sasaki, Impact of an Urban Land Surface Scheme on Local Climate Simulation for the Tokyo metropolitan area, 9th International Conference on Urban Climate, 2015年7月, フランス, トゥールーズ

5. Shido, F., T. Aoyagi, N. Seino, F. Fujibe, and A. Yamamoto, Influence of nearby plants and artificial structures on the surface air temperature statistics: Continuous in-situ measurement at central Tokyo, 9th International Conference on Urban Climate, 2015年7月, フランス, トゥールーズ

6. Kusaka, H., A. Suzuki-Parker, T. Aoyagi, S. Adachi, and Y. Yamagata, Urban climate projection in Tokyo for the 2050’s August by the 4-km horizontal grid spacing RCMS: Impact of RCM and urban scenario., Asia Oceania Geosciences Society 11th Annual Meeting, 2014年8月, 北海道札幌市

7. Shido, F., T. Aoyagi, N. Seino, and H. Sasaki, An application of the urban land surface parameterization for 4km-resolution simulation of present climate, 11th Annual Meeting, Asia Oceania Geosciences Society, 2014年7月, 北海道札幌市


・国内の会議・学会等:13件

1. 清野直子, 菅原広史, 小田僚子, 青栁曉典, 首都圏における対流性降水環境場の観測と数値実験(2), 日本気象学会2016年度秋季大会, 2016年10月, 名古屋市

2. 志藤文武・清野直子・山本哲・藤部文昭・青栁曉典, 東京大手町露場周辺における風の微気候とその季節変化, 日本気象学会2016年度秋季大会, 2016年10月, 名古屋市

3. 山本 哲, 地上気温観測における日射/放射影響の評価 ―マイクロ波放射計輝度温度利用の検討―, 日本気象学会2016年度春季大会, 2016年5月, 東京都

4. 青栁曉典, 都市積雪モデルの導入による冬の都市気候の再現性向上, 第13回環境研究シンポジウム, 2015年11月, 東京都千代田区

5. 志藤文武, 清野直子, 藤部文昭, 青栁曉典, 山本哲, 観測露場周辺の気温の通年観測(第4 報) ―露場の風通しと気温差―, 日本気象学会2015年度秋季大会, 2015年10月, 京都府京都市

6. 青栁曉典, NHRCM用角柱都市キャノピーモデルへの融積雪スキームの導入, 日本気象学会2015年度秋季大会, 2015年10月, 京都府京都市

7. 青栁曉典, 都市キャノピー内融積雪スキームの開発, 日本ヒートアイランド学会第10回全国大会, 2015年8月, 埼玉県宮代町

8. 小堀佳奈子, 藤部文昭, JRA-55を用いた長期気温変動における都市化成分の評価, 日本気象学会2015年度春季大会, 2015年5月, 茨城県つくば市

9. 志藤文武, 清野直子, 藤部文昭, 青栁曉典, 山本哲, 観測露場周辺の気温の通年観測(第3報) : ビルの影と気温, 日本気象学会2014年度秋季大会, 2014年10月, 福岡県福岡市

10. 萱場亙起, 石原幸司, 青栁曉典, 気象庁におけるヒートアイランド業務の紹介-観測データと都市気候モデルを用いた監視-, 日本ヒートアイランド学会第9回全国大会, 2014年7月, 佐賀県佐賀市

11. 青栁曉典, 清野直子, 志藤文武, 佐々木秀孝, 4km地域気候モデルへの都市陸面スキームの導入と現在気候(2001年-2006年)再現性の検証, 日本ヒートアイランド学会第9回全国大会, 2014年7月, 佐賀県佐賀市

12. 橋北太樹, 小田僚子, 菅原広史, 清野直子, 屋外カメラのステレオ 観測に基づく首都圏に発達する積乱雲の位置・高度推定, 日本気象学会2014年度春季大会, 2014年5月, 神奈川県横浜市

13. 志藤文武・青栁曉典・清野直子・佐々木秀孝, 領域モデルNHRCMにおける都市陸面のスキームの役割に関する感度実験, 日本地球惑星科学連合2014年大会, 2014年4月, 神奈川県横浜市

4.2 報道・記事・その他

・熱中症対策待ったなし 危険度最高値世紀末に毎年記録、都市省エネ急務, 日本工業新聞, 2016年7月5日.

・青栁曉典:都市積雪モデルの導入による冬の都市気候の再現性向上、第13回環境研究シンポジウム、2015年11月10日.



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