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気象研究所研究開発課題評価報告

地殻変動観測による火山活動評価・予測の高度化に関する研究

中間評価

評価年月日:平成28年1月18日
  • 副課題名1 火山活動モニタリング手法の高度化およびマグマ活動の推定
  • 副課題名2 火山活動の推移想定に関する研究

研究代表者

山本哲也(火山研究部 第一研究室長)

研究期間

平成26年度~平成30年度

中間評価の総合所見

pdfファイル:142KB

研究の動機・背景

(社会的背景・必要性)

世界でも有数の火山国である日本では、これまでたびたび火山噴火が発生し国民の生命や暮らしが脅かされてきた。火山との共生はわが国における国家的な課題である。気象庁では、各火山で実施する観測に基づいて火山活動の評価を行い、火山の防災情報を発表している。平成19年には、噴火予報及び警報の発表を開始するとともに、火山への防災対応をより円滑に進めるために「噴火警戒レベル」を導入し、火山ごとに順次運用を開始してきた。特に、平成23年3月に発生した東北地方太平洋沖地震後の日本は地震・火山の活動期に入ったとも言われており、平成26年9月に発生した御嶽山噴火は、多数の死者・行方不明者が出る戦後最大の火山災害となった。火山災害軽減のために、火山監視の強化や火山活動評価の高度化はより一層重要な課題となっている。

国として火山災害の軽減を目指す火山噴火予知研究への取り組みは、昭和49年度に「火山噴火予知計画」として始まり、現在実施中の「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」に引き継がれている。さらに、科学技術・学術審議会測地学分科会では、平成26年度からの開始を目指し「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」を審議している。気象庁及び気象研究所は、これらの計画に継続的に参画し、計画の推進に貢献してきており、平成26年度からの計画についても「火山活動に伴う地殻変動源のモデル化及び即時推定と変動予測の研究を行う」予定である。

(学術的背景・意義)

我が国においては、これまでの観測体制の整備と噴火予知研究の進展により、平成12年有珠山噴火など、いくつかの事例については前もって噴火の発生を予測することに成功している。しかしながら今日でも、噴火の規模、様式、活動推移などを事前に予測できるほどには火山噴火に至る過程についての理解は進んでいない。例えば、平成23年の霧島山新燃岳噴火では、噴火規模・様式を予測することはできておらず、火山活動の評価と予測に関して未解決の課題は少なくない。

火山活動評価の前提となる火山観測では、近年GPSなど観測機器の高性能化によって微小な火山性地殻変動をとらえることが出来るようになり、地下数kmの深さにおけるマグマの蓄積も検出できるようになってきた。ただし、蓄積したマグマが移動、上昇して噴火に至る過程を地殻変動観測によってどのように捉えるかは大きな課題である。マグマが地殻を破壊し新たな火道を形成しながら移動(上昇)する場合、明瞭な地殻変動とこれに伴う地震活動が起こるため異常は検出しやすい。一方、平成23年の霧島山新燃岳噴火のように、開放的な火道を持つ火山では、マグマの移動、上昇が大きな地殻変動を生じない可能性がある。前者の場合は噴火位置や時期を特定するために、地殻変動や地震データからいかに早くマグマの位置を推定するかという解析技術が課題となるが、後者の場合にも対応するためには、過去の事例を類型分類し、分類に応じた推移想定を構築する必要がある。これまで実施してきた「地殻変動観測による火山活動監視評価と噴火シナリオの高度化に関する研究(平成23年度-)」における、異常未経験火山の噴火シナリオの研究ではこのような分類が認識されていなかった。まず、マグマの移動・上昇に伴う地震活動や地殻変動の多様性・共通性を過去事例等で整理・解析することが重要であり、研究手法を大幅に見直す必要がある。

これまでの研究から、伊豆大島や浅間山では火山活動に伴う地殻変動の原因を捉えつつあるが、いまだ噴火準備過程の全容を解明するには至っていない。特に伊豆大島では、短期的な収縮・膨張という特徴的な現象や、長期的な膨張が球状圧力源で期待されるものよりも東西方向に卓越することなどについて、そのメカニズムや推定されるマグマ供給系を念頭において解明を進める必要がある。この火山における地殻変動観測研究から火山活動評価手法や予測技術を高度化することにより、その成果を他火山へ適用することが可能となると考えられる。

気象研究所では、これまで「火山活動評価手法の開発研究」(平成13~17年度)、「マグマ活動の定量的把握技術の開発とそれに基づく火山活動度判定の高度化に関する研究」(平成18~22年度)の2つの特別研究を実施し、地殻変動観測に基づく火山活動評価手法の研究開発を進めてきた。この中で、GPS観測などのデータによる火山地域の地殻変動の観測と圧力源の推定、伊豆大島のマグマ蓄積過程における地殻変動の把握、合成開口レーダー(SAR)の干渉画像解析による地殻変動解析、火山用地殻活動解析支援ソフトウェア(MaGCAP-V)の開発などの成果をあげてきた。

また、気象研究所は有限要素法による火山性地殻変動研究を行っている我が国で唯一の研究機関である。有限要素法による現実に近い地形や構造を与えた場合の地殻変動計算手法を開発して既存手法の問題点を明らかにするなど、重要な知見を見出しており、火山監視・評価業務の高度化を可能とする十分な技術的基盤を有している。

(気象業務での意義)

気象庁が、国の行政機関として信頼できる火山情報を一元的に広く提供する責務を果たすため、その施設等機関である気象研究所において火山監視・評価に関わる研究を強く推進する必要がある。

地殻変動観測による火山活動評価は、震動観測等による火山活動のモニタリングと並んで、火山監視業務の技術的な柱となっている。地殻変動観測は、マグマの蓄積を圧力源モデルとして検出できる火山監視に有効な手法のひとつであるため、気象庁の火山監視業務においても、GPS等による地殻変動の監視が行われている。さらに、火山噴火予知連絡会が災害軽減のために監視を強化すべき火山として選定した47火山については、総合観測点としてボアホール型地震計・傾斜計等を中心とした観測点の整備・強化が行われ、さらなる地殻変動監視機能の強化が進んだ。これらのデータについて火山監視への高度な利用を図り、適切な火山活動評価を行う手法を開発することは、火山監視業務への大きな貢献である。

噴火警戒レベルに基づく噴火警報の運用では、特に特別警報にあたるレベル4(避難準備)、レベル5(避難)において噴火シナリオの想定が重要となる。多くの場合、噴火シナリオは過去の噴火事例をもとにして想定されるが、地殻変動については火山における観測の歴史が浅いことから、対象となる火山において適切な観測事例が存在しないことも多い。そのような火山については、他の火山の地殻変動の観測事例を火山活動の類似と相違を踏まえたうえで参照し、地殻変動源をモデル化することで、地球物理学的な背景に基づいた火山活動の推移想定を行う必要がある。本研究は、このような推移想定に貢献する。

研究の成果の到達目標

(副課題1)火山活動モニタリング手法の高度化およびマグマ活動の推定

火山活動の異常検出のために地殻変動観測データ等のモニタリング手法を高度化し、地殻変動源のモデル化や地殻変動シミュレーションによってマグマの蓄積・挙動の推定手法を高度化する。

(副課題2)火山活動の推移想定に関する研究

火山における地震活動と地殻変動の過去事例の整理・解析を通して火山活動の推移の想定を行う。

1.研究の現状

(1)進捗状況

伊豆大島等における地殻変動観測では各種観測のデータの蓄積を進めるとともに、地殻変動の解析を行い、火山活動に伴う地殻変動を明らかにした。それらに加えて当初の計画にはなかったが、御嶽山、西之島、箱根山の噴火に対応して火山活動評価のための研究に取り組んだ。また、水蒸気噴火のポテンシャルの高い火山で、光波測距や地磁気観測への取り組みを行った。

噴火シナリオの改善・作成のために、近年の水蒸気噴火の事例について地震発生の特徴を調査した。また、火山活動が活発化した御嶽山、口永良部島、蔵王山については、近年の噴煙高度、火山性微動、火山性地震、地殻変動等のデータを収集整理した。

(2)これまで得られた成果の概要
(副課題1)火山活動モニタリング手法の高度化およびマグマ活動の推定

[伊豆大島等における地殻変動観測と解析]

  • 伊豆大島においてGNSS、光波測距、ボアホール型多成分ひずみ計による地殻変動観測を引き続き行い、データの解析を通して下記のようなことがわかった。
  • 伊豆大島のGNSS観測データについて、周期1年ほどの短周期の変動と長周期の変動に分離した解析を行い、短周期の変動と長周期の変動では詳細に見ると変動源の位置が異なることがわかった。2013年7月以降2015年1月まで、伊豆大島全体の膨張が継続して、膨張期間には地下の体積変化量が年間100万m3以上の割合で増加したことを推定した。GNSS観測データで上下の変動を調べると2012年を境に隆起速度が加速していることがわかった。特に島の中央部の東西帯状の観測点で隆起速度の加速が大きかった。また、2014年7月下旬に伊豆大島北部で地震活動が活発化し有感地震も発生したが、北部を中心に詳しいGNSSデータの解析を行ったところ、GNSSの基線長データに最大地震に伴うとみられる地殻変動と、その後の島全体の膨張が加速するような地殻変動が検出された。
  • 光波測距観測については、GPVを用いた気象補正なども含めた処理の自動化を図り、監視業務にも利用可能なシステムに高度化した。また、伊豆大島の2010年膨張期に光波測距(EDM)観測網の23測線で得られた斜距離データを用い、圧力源推定のモニタリングの可能性について検討した結果、時間分解能がGNSSよりも高い場合がありEDM観測網のみで圧力源の時間変化をモニタリングできる可能性があることを示した。
  • 2013年2月に伊豆大島南西部に設置したボアホール型多成分ひずみ計の観測では、ひずみデータの蓄積を進めるとともに、観測データの特性把握のために潮汐や気圧変化への応答、遠地地震時の長周期地震動を用いた理論ひずみ波形との比較を行った。また、長期的な特性をみるためにGNSSのデータとの対比を行い、火山体の膨張・収縮に対応した観測データが得られていることを確認した。
  • 伊豆大島における重力の繰り返し観測を実施しデータの蓄積を進めた。微小な重力変化の議論に不可欠な重力計のスケールファクターについて、その時間変化も含めた検討・整理を行い、重力計個体差による見かけの重力変化の軽減を図った。その上で、2004年から実施している伊豆大島の精密重力測定による重力変化の検討を行ったところ、海岸沿いと北山腹(カルデラ北縁)において100μgalに達する時間変化が認められた。この変化は、GNSS等の観測から推定される変動源モデルや潮位の経年変化では、振幅、位相ともに全く説明できない。熱水流動シミュレータによる予察的な計算によれば、この重力変化は天水の浸透に伴って生じている可能性がある。
  • 浅間山では引き続きGPS繰返し観測を実施した。2015年6月にごく小規模な噴火が発生したが、これに先行する2014年の段階において、2012年から観測されていた火口付近の局所的収縮が見られなくなっていたことを明らかにした。

[御嶽山噴火に関連したデータの解析]

  • 2014年9月27日に噴火した御嶽山の傾斜計データを、気象研究所で継続して開発・機能強化を行っている火山用地殻活動解析支援ソフトウェアMaGCAP-Vを用いて解析し、噴火に伴って火口浅部直下浅部で最大38万m3の体積膨張があったことを明らかにした。
  • モニタリング手法の高度化のひとつとして、傾斜計の降水補正への取り組みを進めている。御嶽山の田の原傾斜計については、タンクモデルを用いた降水補正を積雪及び融雪の影響が小さい6月~10月のみに限定して行い、東西成分について、噴火に先立って半月ほど前からやや活発化した山頂直下の地震活動と同期した山上がりの傾斜変化を確認した。また、冠雪火山の傾斜計にとって課題であった融雪の影響について新潟大学・信州大学と共同で調査に取り組み、田の原の傾斜計について融雪の影響を除去する試行調査を行った。 口永良部島では、新岳の傾北東山麓斜計の降水補正に取り組み、島内の鹿児島県の降水量観測データが最も有効であることと、有感地震のあった2015年5月23日からの山下がりの変化を検出した。 箱根山では、神奈川県の温泉地学研究所の傾斜計の降水補正に取り組み、幾つかの観測点で降水補正の効果が高いことを確認し、降水補正除去プログラムを温泉地学研究所に提供した。
  • モニタリング手法の高度化として、GNSS観測データのスタッキング解析の研究を進めた。御嶽山周辺の基線のスタッキング解析の結果、2014年噴火に先行する御嶽山の膨張を明瞭にしたほか、2007年の活動との比較を行ったところ、2014年噴火の際の深部での体積膨張量は2007年より小さいことがわかった。 また、2015年の箱根山の火山活動では、温泉地学研究所との共同研究による解析で、地震活動の活発化に3週間あまり先行する4月初め頃から地殻変動が始まっていたことが明らかとなった。
  • 御嶽山では噴火開始の11分ほど前から火山性微動が観測されており、噴火を挟む25分間について御嶽山の山腹および山麓の5つの地震観測点における火山性微動の振幅分布からその震源を推定した。火山性微動の震央は火山性地震の震源域と一致していると考えられる。また、噴火7分前から噴火時にかけて火山性微動の震源が深くなる方向に移動していることがわかった。2008年の雌阿寒岳の噴火の2日前に発生した火山性微動でも震源の移動が検出されており、火山性微動の震源移動検出が火山活動モニタリングに重要である可能性がある。
  • 御嶽山で発生する火山性地震を、高周波成分の大小に基づいて2つのイベントタイプに分類した。2007年と2014年の噴火前後の地震活動については、噴火前に高周波成分の小さい地震が多く、噴火後に高周波成分の大きい地震が多いという傾向がみられた。噴火前に高周波成分が小さい地震が増加することは、噴火と密接に関わる流体の関与を示唆している。また、脈動等の震動特性の調査解析を行い、御嶽山付近でも海洋の波浪の影響が見られることを明らかにした。

[衛星SARによる火山性地殻変動の検出と火山監視手法の高度化]

  • ALOS/PALSARデータを用いた干渉SAR時系列解析を、国内の主要火山および海外の活動的な火山を対象に解析を行い複数の活火山において、火山活動に伴う地殻変動を検出した。 十勝岳、吾妻山、伊豆大島、三宅島、薩摩硫黄島などでは、火山活動に伴う地殻変動について、GNSS観測結果と調和的な結果が得られた。ニヤムラギラ火山(コンゴ共和国)では、2010年1月噴火の約1年前から山頂付近においてマグマ貫入を示す地殻変動があったことが分かった。マヨン火山(フィリピン)では、2006年7から10月にかけて発生した噴火に伴う溶岩流について、冷却自重沈降と考えられる衛星視線方向に伸張(地殻変動としては沈降)の変化を検出した。南米チリのLaguna del Maule火山では、マグマ貫入を示す地殻変動が検出されたが、近傍で発生したM8.8の巨大地震前後で地殻変動の速度が変化していることが分かった。
  • 新たに打ち上げられたALOS-2/PALSAR-2データを用いた差分干渉解析を、国内の複数の活火山を対象に解析を実施した。その結果、雌阿寒岳、十勝岳、吾妻山、御嶽山、箱根山、西之島、硫黄島、霧島山、桜島、口永良部島において火山活動に伴う地殻変動を検出した。また、西之島については、画像の時系列変化から陸域面積の拡大率を求めた。口永良部島については、相関画像から火砕流等の範囲について明らかにした。
  • SAR干渉解析結果で地殻変動が得られた火山については、MaGCAP-Vを用いた圧力源推定を行った。十勝岳では、62-2火口直下標高1200m付近に、開口量3mのシル状圧力源(体積増加量、6.8×104m3)、桜島の8月15日の地震増加時には、昭和火口直下約1.6kmに開口量2mのダイク状圧力源(体積増加量1.6×106m3)で干渉縞が説明できることが分かった。
  • 2014年8月に噴火した口永良部島では、詳細な地形観測が噴火後困難であったが、噴火前のALOS/PALSARデータと噴火後のALOS-2/PALSAR-2データ(ただし校正期間中)のSAR強度画像の比較を行うことで、噴火に伴う火口周辺の地形変化を明らかにした。

[他の活動的火山における研究]

  • 西之島火山で自己浮上式海底地震計による観測を2015年6月~10月に実施した。噴火活動に伴うと考えられる震動が記録され、6月には1時間あたり100回程度の震動回数は、10月には50回程度に減少しているものの、地震規模はやや大きくなっていることがわかった。(海上保安庁、地震研究所と連携して観測)
  • マヨン火山においてGNSS連続および繰返し観測を実施した結果、2014年に入って山体が膨張する動きを観測した。この動きは8月から始まった噴火の準備過程と考えられる(PHIVOLCSと共同で観測)。また、マヨン火山のGNSS観測データを解析し、2009年噴火に伴い山頂直下の海抜8.5km付近で1300万m3の体積収縮があったことがわかった。
  • 十勝岳62-Ⅱ火口周辺の局所的な山体変動について、地形を考慮した有限要素法による計算で説明できる圧力源について検討を行った。その結果、単純な解析解(茂木モデル)では説明できなかったものが、ある程度まで(2015年6月の前十勝の加速的変動まで)は、説明できることを示した。
  • 水蒸気噴火の潜在力を有する火山(草津白根山、御嶽山)において光波測距の繰返し観測を実施した(草津白根山は東京工業大学と、御嶽山火山課機動観測班と共同で観測)。 草津白根山については気象庁が実施したGPS繰返し観測のデータを解析し、2013~2014年に湯釜の火口直下200mで3.0万m3の体積膨張があったことがわかった。
  • 火山活動が活発化した箱根山の大涌谷周辺で、全磁力繰り返し観測を実施した。その結果、ごく小規模な噴火が発生した後、7月から9月にかけて火口群の地下の帯磁を示唆するわずかな地磁気変化が観測された。(神奈川県温泉地学研究所と共同で観測)
  • 2014年にやや地震活動が活発化した雲仙岳において繰り返しGNSS観測および光波測距観測を実施した.溶岩ドームや山頂部の収縮が継続していることがわかった。

[その他]

  • 地殻変動源を精密に推定するためには火山直下の地下構造をより正確に把握する必要があるため地震波速度構造解析を行っている。霧島山周辺について地震波を用いた地震波干渉法により地震波伝播を抽出し走時異常を測定した結果、構造を反映するとみられる速度異常のパターンが捉えられた。この走時異常パターンを速度構造に焼き直すため、表面波位相速度トモグラフィーに取り組んでいる。
  • 気象庁火山総合観測点データ収集のためのネットワークを構築し、データ形式、伝送ルート等に関して本庁火山課と調整を進め、データ収集の環境を整備した。御嶽山噴火などの際には、この環境によって観測データの収集を行い解析に活用した。また、火山用地殻活動解析支援ソフトウェアMaGCAP-Vの機能強化を行い、データの自動的な表示更新機能などを実装した。
(副課題2)火山活動の推移想定に関する研究

  • 近年に国内で発生した、おもに水蒸気噴火について、気象庁の定常観測点の地震データの時系列上の特徴を調査した結果、全体の約3分の2の事象で、噴火直前の地震活動の増大は認められないといえることがわかった。また、残りの3分の1についても、数日前から地震発生率の増加がある、数十個以下の地震の群発がある、というものがほとんどであり、地震数が加速的に増大するという顕著な活動は認められなかった。(東北大学との共同作業)
  • 2014年御嶽山噴火に伴う地殻変動データを再検討し、水蒸気噴火に関わる前駆的地殻変動の検出に向けた予備的な調査を行った。
  • 噴火もしくは火山活動が活発化した御嶽山、口永良部島及び蔵王山について、噴火シナリオの改善・作成のために噴煙高度、火山性微動、火山性地震、GNSSや傾斜計などによる地殻変動等、近年の火山観測データを収集整理して再検討を行った。
  • 御嶽山噴火を踏まえた各種提言に沿って、噴火警戒レベルの判定基準の根拠を明示して公表するため気象庁が進めている噴火警戒レベルの判定基準の精査作業に技術的な協力をしている。その中では、火山ごとの活動の特徴を改めて整理するとともに、御嶽山のような水蒸気噴火の可能性も踏まえた着目点の整理等を行っている。
  • 過去の噴火事例の長期的な傾向を整理するために、1万2000年前以降の全世界の火山噴火イベント約1万件の発生時刻と噴火規模を一つのデータファイルとし、地震活動解析ツールで扱えるようにした。これにより複数の火山活動や地震活動を同時に時空間的に様々な角度からの表示が可能となり、火山活動評価の基礎資料としての活用が期待できる。
(3)当初計画からの変更点(研究手法の変更点等)

当初の予定にはなかったが、御嶽山、口永良部島、西之島、草津白根山、箱根山など、噴火が発生したり、活動の高まりが見られた火山については急遽研究対象としてとりあげ、観測やデータの収集に取り組むことで火山活動の研究を行った。特に御嶽山では、傾斜計などによる地殻変動データのほかに、当初計画にはなかったが地震計で観測された火山性微動のデータ解析も行い、噴火時に微動源の移動があったことなどを明らかにした。また、GNSS観測データの解析では、東海地震監視に活用されているスタッキングの手法を火山性地殻変動の解析に用い、噴火に先行する御嶽山の膨張を明瞭にした。

また、従来はマグマの蓄積や移動に着目して研究を進めていたが、御嶽山では水蒸気噴火が大きな被害をもたらしたことから、水蒸気や熱水の挙動などにも着目点を広げることにした。これに基づいて、御嶽山や草津白根山など水蒸気噴火が懸念される火山について、山頂部の地殻変動観測への取り組みを開始した。

同様に、火山活動の推移想定のための研究でも、当初の予定とは異なったが水蒸気噴火についての地震観測データの時系列の調査を近年の国内の火山活動事例について行った。

2.今後の研究の進め方

伊豆大島における地殻変動観測ではマグマの蓄積など火山活動に関連した変化が捉えられており、しかも膨張・収縮を繰り返すような単純とは言えない変化である事が確認されている。このような地殻変動を詳細に把握するために、引き続き観測を行いデータの蓄積を進める。また、それらのデータを活用してSN比の改善などモニタリング手法の高度化のための研究を進める。

また、衛星データによる干渉SAR解析を継続し、地殻変動の検出と解析に取り組む。

伊豆大島で観測されている地殻変動は、単純な圧力源モデル(茂木ソース)では十分に説明できない部分があることも明らかになっている。観測されている地殻変動現象をより広範に的確に説明できるようにマグマ供給系モデルの高度化に取り組む。

また、水蒸気噴火が懸念される火山について、山頂部での地殻変動観測に取り組むとともに、火山ガス、地磁気、熱などの観測データの収集を行い、浅部熱水活動の把握のための研究を行う。

より定量的な火山噴火シナリオを構築するために、火山活動の過去事例の整理・解析を行い、気象庁が順次公表を進める噴火警戒レベルの判断基準の精査へも貢献する。

平成28年度に火山監視・警報センターの設置される札幌、仙台、東京、福岡に、気象研究所火山研究部の研究官が各1名配置されることから、監視業務によってえられる火山観測データの活用、地域の火山における研究観測、地元の大学との連携・協力など、地の利を活かした火山活動評価に関する研究への取り組みを進める。

3.自己点検

(1)到達目標に対する進捗度
  • 観測研究を基にした成果が着実に得られ、研究は概ね予定通り進捗した。特に、衛星データを活用した干渉SAR解析では、全国の火山を対象とした火山性地殻変動の検出に取り組み、いくつかの火山で地殻変動を検出するなど、火山監視手法としての有効性を確立した。
  • 御嶽山噴火時のデータの解析から、従来はマグマ噴火を想定して取り組んできた地殻変動による火山活動のモニタリングが、水蒸気噴火についても有効であることが確認された。これは、想定以上の成果であった。
  • 伊豆大島における地下の圧力源モデルの推定においては、モデルを高度化すべく観測データの精査を行い、地殻変動の詳細な特徴把握を進めており、ほぼ予定通りの進捗度である。
  • 火山における地震活動と地殻変動の過去事例の整理については、当初の予定にはない水蒸気噴火を対象とした調査などにも取り組み、十分に進捗した。
(2)研究手法の妥当性

研究開始後に発生した御嶽山などの噴火でも、地殻変動観測は火山活動モニタリングの有力な方法であることが明らかになっている。火山活動評価・予測の高度化に向けた研究において地殻変動観測に注目することは、妥当な研究手法である。

また、伊豆大島を研究観測の主要なフィールドとしていることも、観測によって火山活動にともなう変化が着実に捉えられており、しかもその観測データに基づくマグマ供給系の解明のためにさらなる研究が必要なことから、妥当な選択であると言える。

衛星データによる干渉SAR解析は、火山性地殻変動の検知力が十分に高く、しかも2次元的な分布が得られること、地上観測網がない火山でも検出できることなど、火山監視手法として優れた特徴を備えていることから、引き続き研究手法として活用することが妥当である。

(3)成果の施策への活用・学術的意義
  • 御嶽山、伊豆大島、浅間山など観測データの解析の結果は、速やかに気象庁火山課や火山噴火予知連絡会に報告しており、火山監視、火山活動評価に活用されるとともに、学識者との火山活動に関する知見の共有を図っている。
  • 御嶽山噴火に関連した研究から、傾斜データの降水補正やGNSSデータのスタッキング解析がデータのSN比の改善に有効であることが明らかになり、現在更新整備が進められている気象庁の次期火山監視システムにおいて、これらの手法が火山監視に導入される予定である。
  • 浅間山、御嶽山、口永良部島及び蔵王山などについて、近年の火山観測データを収集整理して検討を行った結果は、噴火警報の運用のために必要な噴火シナリオとして活用される見込みである。
(4)総合評価

伊豆大島などの地殻変動観測、衛星データの干渉SAR解析などで、火山性地殻変動をとらえて、圧力源推定、マグマ供給系解明に関する研究が進捗した。御嶽山の噴火の際にはこれに対応した研究を急遽行い、様々な成果を上げることができた。今後も火山活動評価・予測の高度化への貢献が期待できる。

4.参考資料

4.1 研究成果リスト
(1)査読論文 :2件

1.Ogiso, M., H. Matsubayashi and T. Yamamoto, 2015: Descent of tremor source locations before the 2014 phreatic eruption of Ontake volcano, Japan., Earth, Planets and Space, 67, 206

2.Takagi, A., K. Fujiwara, T. Ohkura, A. C. Luis, Jr., A. V. Baloloy, S. Ando, E. Laguerta, and M. A. V. Bornas, 2015: Ground deformation of Mayon Volcano revealed by GPS campaign survey., Journal of Disaster Research, 10, 106-112

(2)査読論文以外の著作物(翻訳、著書、解説):0件

なし

(3)学会等発表
ア.口頭発表

・国際的な会議・学会等:0件

なし

・国内の会議・学会等:11件

1.安藤忍, 気象庁におけるSAR解析の取組と活用状況について., PIXEL研究集会・SAR研究の過去と現在、そして未来へ, 2015年3月: つくば市

2.安藤忍, 縞模様が教えてくれる地震活動~宇宙から捉えた地殻変動~., 地震本部定例説明会, 2015年4月: 東京都

3.安藤忍, 異なる偏波の干渉処理について., 新世代SARがもたらす災害・環境モニタリングの進展, 2015年12月: 京都府宇治市

4.岡崎紀俊,高橋良,岡大輔,高橋浩晃,一柳昌義,山口照寛,本多亮,宮城洋介,高木朗充, 2010年~2015年における十勝岳の重力変化., 日本火山学会2015年度秋季大会, 2015年9月: 富山市

5.木村一洋, 御嶽山田の原の傾斜計東西成分の降水補正., 平成26年度「GPS大学連合」&地殻変動連続観測関係者研究集会, 2015年3月: 岐阜県瑞浪市

6.木村一洋,河島克久,松元高峰,伊豫部勉,佐々木明彦,中橋正樹, 火山監視を目的とした傾斜計に現れる融雪の影響 -御嶽山田の原の傾斜計の東西成分における融雪の影響を補正する試み-., 雪氷研究大会(2015・松本), 2015年9月: 長野県松本市

7.高木朗充,木村一洋,横山博文, 御嶽山等における噴火現象のナウキャスト実現の検討., 御嶽山2014年噴火 科学研究費研究集会, 2015年3月: 名古屋市

8.高木朗充,岡崎紀俊,田村慎,高橋浩晃,道下剛史, 有限要素法による十勝岳62-2火口の地殻変動の評価., 日本火山学会2015年度秋季大会, 2015年9月: 富山市

9.高橋浩晃,岡崎紀俊,高橋良,岡大輔,田村慎,一柳昌義,山口照寛,本多亮,宮城洋介,高木朗充, 十勝岳でのGPS/相対重力測定で検出された重力値の減少., 日本測地学会第124回講演会, 2015年10月: 福岡市

10.西村太志,高木朗充, 火山性地震の発生時系列と噴火発生-近年の日本の事例から-., 日本火山学会2015年度秋季大会, 2015年9月: 富山市

11.山里平, 口永良部島の火山活動と防災., 土木学会平成27年度地盤工学セミナー「火山噴火と土砂災害」, 2015年12月: 東京都

イ.ポスター発表

・国際的な会議・学会等:2件

1.Aggangan, B.S., C.J. Clarito ,K. Fujiwara, A. Takagi, T. Ohkura and D. Hidayat, Ground deformation analysis and modeling of selected active volcanoes., Cities on Volcanoes 8, 2014年9月: Indonesia Yogyakarta

2.Takagi, A., K. Fujiwara, T. Ohkura, A. C. Luis, Jr, A. V. Baloloy, M. A. V. Bornas and E. Laguerta, Pressure source of Mayon volcano estimated by GPS campaign survey., Asian Seismological Commission 2014, 2014年11月: Philippines Makati City


・国内の会議・学会等:32件

1.安藤忍,三浦優司,松森敏幸, 干渉SAR時系列解析による国後・択捉島の活火山周辺における地殻変動., 日本地球惑星科学連合2014年度連合大会, 2014年5月: 横浜市

2.安藤忍, 高木朗充, InSAR時系列解析を用いたMayon火山周辺における地殻変動., 測地学会第122回講演会, 2014年11月: 茨城県つくば市

3.安藤忍, InSAR時系列解析を用いたNyamuragira火山地域における地殻変動., 日本火山学会2014年度秋季大会, 2014年11月: 福岡市

4.安藤忍, 藤原善明, 2014年御嶽山噴火後に実施した機上観測結果(速報)., 日本火山学会2014年度秋季大会, 2014年11月: 福岡市

5.安藤忍,中橋正樹,鬼澤真也, ALOS-2/PALSAR-2により捉えられた国内外の活火山周辺における地殻変動., 日本地球惑星科学連合2015年度連合大会, 2015年5月: 千葉市

6.安藤忍,福井敬一, ALOS-2/PALSAR-2データを用いた西之島の衛星画像解析., 日本火山学会2015年度秋季大会, 2015年9月: 富山市

7.安藤忍, InSAR時系列解析によるLaguna del Mauleカルデラ火山における地殻変動., 日本測地学会第124回講演会, 2015年10月: 福岡市

8.安藤忍,三浦優司,松森敏幸, 干渉SAR時系列解析による国内主要火山周辺における地殻変動., 日本地球惑星科学連合2015年度連合大会, 2015年5月: 千葉市

9.小木曽仁,高周波地震動の空間分布から推定した御嶽山噴火前後の火山性微動の震動源., 日本火山学会2014年度秋季大会, 2014年11月: 福岡市

10.鬼澤真也,高木朗充,福井敬一,安藤忍, 伊豆大島火山のマグマ蓄積期における重力変化., 日本地球惑星科学連合2014年度連合大会, 2014年5月: 横浜市

11.木村一洋,中橋正樹, 御嶽山田の原の傾斜計東西成分の降水補正(1) ., 日本地球惑星科学連合2015年大会, 2015年5月: 千葉市

12.木村一洋,河島克久,松元高峰,伊豫部勉,佐々木明彦,中橋正樹, 火山監視のための傾斜計の降水補正., 日本測地学会第124回講演会, 2015年10月: 福岡市

13.小枝智幸,高橋冬樹,横山博文,野田信幸, 1mメッシュDEMデータから求めた桜島昭和火口の3次元形状., 日本火山学会2014年度秋季大会, 2014年11月: 福岡市

14.高木朗充,藤原健治,大倉敬宏, A. C. Luis, Jr, A. V. Baloloy, 安藤忍, E. Laguerta and M. A. V. Bornas, GPSキャンペーン観測によるマヨン火山の地殻変動., 日本測地学会第122回講演会, 2014年11月: つくば市

15.高木朗充,藤原健治,大倉敬宏,A. C. Luis, Jr, A. V. Baloloy,安藤忍,E. Laguerta and M. A. V.Bornas, GPSキャンペーン観測によるマヨン火山の地殻変動2005-2015年., 日本地球惑星科学連合2015年度連合大会, 2015年5月: 千葉市

16.高木朗充,西澤あずさ,篠原雅尚,長岡優,木村一洋,森下泰成,小野智三, 西之島火山周辺の海底地震合同観測., 日本火山学会2015年度秋季大会, 2015年9月: 富山市

17.高山博之,山本哲也,鬼澤真也, 伊豆大島の地殻変動にみられる短周期変動について., 日本火山学会2014年度秋季大会, 2014年11月: 福岡市

18.高山博之,山本哲也,鬼澤真也, 伊豆大島の長期的と短期的地殻変動の分離とそれぞれの変動源について., 日本地球惑星科学連合2015年度連合大会, 2015年5月: 千葉市

19.高山博之,山本哲也,鬼澤真也, 伊豆大島三原山周辺の地殻変動について., 日本火山学会2015年度秋季大会, 2015年9月: 富山市

20.長尾潤;地震火山部火山課, 2014年3月以降の草津白根山の火山活動., 日本地球惑星科学連合2015年大会, 2015年5月: 千葉市

21.長岡優,西田究,青木陽介,武尾実,大倉敬宏,吉川慎, 地震波干渉法による霧島山の表面波速度構造推定の試み., 日本火山学会2014年度秋季大会, 2014年11月: 福岡市

22.長岡優,加藤幸司,山本哲也,横山博文, 御嶽山 2014 年噴火前後における火山性地震のスペクトルの特徴., 日本地球惑星科学連合2015年度連合大会, 2015年5月: 千葉市

23.長岡優,西田究,青木陽介,武尾実,大倉敬宏,吉川慎, 脈動記録を用いた霧島山の表面波速度構造推定の試み., 日本地球惑星科学連合2015年度連合大会, 2015年5月: 千葉市

24.長岡優,加藤幸司,小木曽仁,山本哲也, 御嶽山における火山性地震のスペクトルの特徴., 日本火山学会2015年度秋季大会, 2015年9月: 富山市

25.平松秀行,井上秀穂,松末伸一,加藤幸司, 2014-2015年阿蘇山の噴火活動について., 日本地球惑星科学連合2015年大会, 2015年5月: 千葉市

26.三浦優司,安藤忍,中村政道, 国内の主要な活火山における干渉SAR時系列解析., 日本地球惑星科学連合2014年度連合大会, 2014年4月: 横浜市

27.宮岡一樹,横田崇,高木朗充,鬼澤真也, スタッキング法を用いたGNSS データによる2014 年御嶽山噴火前後の地殻変動検出., 日本地球惑星科学連合 連合大会 2015年大会, 2015年5月: 千葉市

28.山本哲也,安藤忍,小久保一哉,小林昭夫,木村一洋, 伊豆大島千波観測点の多成分ひずみ計データの特性., 日本地球惑星科学連合2014年度連合大会, 2014年5月: 横浜市

29.山本哲也,長岡優,木村一洋, 伊豆大島 伊豆大島の多成分ひずみ計で観測される地震波形の特徴., 日本火山学会2014年度秋季大会, 2014年11月: 福岡市

30.山本哲也,高山博之,高木朗充,長岡優,木村一洋,鬼澤真也, 2014年7月伊豆大島北部の火山性地震増加に伴う地殻変動., 日本地球惑星科学連合2015年度連合大会, 2015年5月: 千葉市

31.山本哲也,宮岡一樹,高木朗充・原田昌武・竹中潤・本多亮・ 道家涼介・萬年一剛, 箱根山大涌谷周辺における全磁力繰り返し観測., 火山学会, 2015年9月: 富山市

32.横山博文,藤原善明,井上和久,菅野智之, 火山活動を時空間的に俯瞰する試み., 日本火山学会2014年度秋季大会, 2014年11月: 福岡市

(4)投稿予定論文

1.Miyaoka, M. and A. Takagi, Detection of crustal deformation prior to the 2014 Mt. Ontake eruption by stacking method, Japan, Earth, Planets and Space (submitted)

2.Prudencio, J., T. Taira, Y. Aoki, H. Aoyama and S. Onizawa, Intrinsic and scattering attenuation images of Usu volcano, Japan, Geophys. Res. Lett. (submitted)

3.Takagi, A. and S. Onizawa, Shallow pressure sources associated with the 2007 and the 2014 Ontakesan volcano eruptions, Japan, Earth, Planets and Space (submitted)

4.安藤忍:SAR干渉解析による噴火前後の地殻変動,気象庁技術報告第135号(平成26年(2014年)御嶽山噴火調査報告)(編集中)

5.小木曽仁:御嶽山の噴火前後の火山性微動の震源推定,気象庁技術報告第135号(平成26年(2014年)御嶽山噴火調査報告)(編集中)

6.木村一洋:降水補正を行った田の原傾斜計東西成分の噴火前後の変動,気象庁技術報告第135号(平成26年(2014年)御嶽山噴火調査報告)(編集中)

7.高木朗充:傾斜変動とGNSS観測による御嶽山の浅部圧力源,気象庁技術報告第135号(平成26年(2014年)御嶽山噴火調査報告)(編集中)

8.長岡優:噴火前後における火山性地震のスペクトルの特徴,気象庁技術報告第135号(平成26年(2014年)御嶽山噴火調査報告)(編集中)

9.宮岡一樹:GNSSスタッキングによる噴火前の地殻変動検出,気象庁技術報告第135号(平成26年(2014年)御嶽山噴火調査報告)(編集中)

10.気象研究所[安藤忍]:ALOS/PALSAR及びALOS-2/PALSAR-2データを使ったSAR干渉解析による御嶽山周辺の地殻変動,火山噴火予知連絡会会報,119(印刷中)

11.気象研究所[安藤忍]:ALOS-2/PALSAR-2の強度画像による西之島の地表変化,火山噴火予知連絡会会報,120(印刷中)

12.気象研究所[安藤忍]:ALOS-2/PALSAR-2干渉解析による硫黄島の地殻変動,火山噴火予知連絡会会報,120(印刷中)

13.気象研究所[小木曽仁]:高周波地震動の振幅分布から推定した御嶽山噴火前後の火山性微動の震動源, 火山噴火予知連絡会会報, 119(印刷中)

14.気象研究所[高山博之・高木朗充]・気象庁:伊豆大島の地殻変動,火山噴火予知連絡会会報,118(印刷中)

15.気象研究所[長岡優]:西之島における二酸化硫黄放出量観測, 火山噴火予知連絡会会報, 121(印刷中)

4.2 報道・記事

平成27年3月27日、NHK、御嶽山のGNSSデータのスタッキング解析

平成27年4月9日、信濃毎日新聞、御嶽山昨年9月の噴火- 1ヶ月ほど前から地殻変動

平成27年10月28日、信濃毎日新聞、御嶽山38万立方メートル膨張



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