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気象研究所研究開発課題評価報告

次世代リモートセンシングに関する研究

終了時評価

評価年月日:平成25年12月24日

研究代表者

小司禎教(気象衛星・観測システム研究部 第2研究室長)

研究期間

平成21年度~平成25年度

終了時評価の総合所見

pdfファイル:126KB

研究の動機・背景

近年の雲・降水に関するリモートセンシング技術の発展は,固体化レーダー,偏波レーダー,衛星搭載レーダー等目覚しいものがある.しかし,これらの特性や物理量抽出アルゴリズムにおいてまだ未知な点も多い.固体化レーダーは,従来のレーダーに比べ帯域幅が狭くできるなどの利点があるためわが国における将来のレーダー観測の基盤技術になるものと予想されるが,まだ開発されて間もなく本格運用も十分にはなされていない.このため,実際の観測上,現在のレーダーに比べどのような利点・欠点があるかなど未確認な点も多い.また,偏波レーダーは従来のレーダーでは得られない雨滴サイズや形状についての情報が得られるため,降水観測精度の向上が期待されているが,偏波情報から降水パラメータを抽出するアルゴリズムは改善すべき点も多い.このために電波散乱理論に基づいたレーダー特性の評価ならびにリモートセンシングと直接観測の比較等による観測データの詳細な解析が必要である.

研究の成果の到達目標

固体化・偏波レーダー,ウィンドプロファイラー,衛星搭載レーダー等のリモートセンシング手法を気象観測で有用に活用するために以下の研究を実施する.

1) 固体化レーダー観測基盤技術の確立,観測データの検証・評価

2) リモートセンシングデータの高度利用化技術の開発

3) リモートセンシングデータの利用高度化による雲・降水過程の解明

1.研究結果

(1)成果の概要
(1)-1 全体

固体素子を用いたC帯気象偏波レーダーの観測基盤技術を世界で初めて確立し,当初想定以上の成果が得られた.さらに偏波情報を利用した降水強度の高精度推定,豪雨をもたらす積雲の識別に大きな成果を得た.また,GPS等精密衛星測位を用いた水蒸気変動解析手法を開発した.この手法は対流性降水の先行指標としての利用可能性があることが分かった.

[固体化レーダー観測基盤技術の確立,観測データの検証・評価]

1) 送信波占有帯域の確認及び感度向上

偏波レーダーに用いている固体素子から発信される送信波が許可されている占有帯域幅の範囲内であることを確認した.これにより後段に設置されている狭帯域フィルターが不要となったので導波管径路の改修を行ない,フィルターを撤去することとにより感度を3dB向上させることができた.

2) 最適なパルス幅の確定

固体素子レーダーは従来のレーダーに比べてピーク出力が小さいためパルス圧縮と呼ばれる技術を用いる必要がある.その一方,パルス圧縮を用いるとレンジサイドローブと呼ばれる距離方向の偽エコーが必然的に発生するため,その抑圧技術の開発が固体素子レーダーの運用には重要となる.一般に,パルス幅を長くするほどレーダーの感度は向上し,レンジサイドローブ抑圧も改善されるが,レーダーに近い領域の観測は不可能となり,その領域はパルス幅と共に拡大する.そこでレーダー近傍を観測するため長パルス観測と交互にパルス圧縮を用いない短いパルスでも観測を行うが,短パルスは長パルスに比べて平均出力が小さいため感度が低く,短パルスで観測する領域は小さい方が望ましい.また短パルス観測領域の増加に伴いパルス繰り返し周波数を低くする必要が生じ,これに伴いドップラー速度の精度低下・観測時間の拡大を招くという問題も生じる.そこでパルス圧縮のレンジサイドローブへのパルス幅の影響を調査し,パルス幅30μsec,47μsec,67μsecに対しレンジサイドローブ抑圧がそれぞれ40dB,52dB,60dBであること,これらの値が電波を外部に発射せずに行う折り返し試験の結果とほとんど変わらないことをまず確認した.抑圧が60dB以上あれば,アンテナの方位方向のサイドローブ抑圧よりも性能が良く,反射強度が50dBZを大幅に超える降雹や豪雨の際にも観測結果に混入するレンジサイドローブの強度は極めて小さくほとんど影響がないことも分かった.そこでこれらのバランスを考慮し,探知距離150km程度までのドップラー観測を行う場合にはパルス幅は67μsec程度を用いることが適切であることがわかった.さらにオクラホマ大学との共同研究により,時間に対して非線形に周波数を変化させるパルス圧縮技術をレーダー実機で試験し,レンジサイドローブを抑圧したまま,長パルス領域の感度を3dB程度改善(送信機出力の倍増に匹敵)できることがわかった.

3) 偏波データの品質管理

偏波観測データの品質を統計的に調査し,品質管理手法を開発するとともに,偏波間相関係数hvのピーク値が0.998であることを確認した.hvのピーク値は,偏波観測の品質を端的に示す指標であり,この値は本研究で得られた観測データが世界でもトップクラスの高品質であることを示している.

[リモートセンシングデータの高度利用化技術の開発]

1) GPS/GNSSの視線遅延量を利用した高度利用

GPS(全球測位システム)等から水蒸気の非一様性の度合いを推定する指標(WVCインデックス,WVIインデックス)を開発し,論文誌(気象集誌)に発表を行った.両指標は可降水量(PWV)に比べ,強雨との関連が強く,今後顕著現象の監視指標としての利用も想定される.

さらに視線を利用した観測点周囲のPWV勾配を推定する手法を開発し,2012年5月6日のつくば竜巻の事例について,親雲の発達に伴う水蒸気勾配を解析した.

[リモートセンシングデータの利用高度化による雲・降水過程の解明]

1) 偏波を用いた降水強度アルゴリズムの改良

偏波パラメータを用いた降水強度の推定アルゴリズムの改良を行い,層状性の雨や対流性の雨において地上のディスドロメータの観測から得られた降水強度との比較を行ないその精度の検証を行なった.その結果,現在気象庁が用いている手法では降水による電波の減衰の影響を受けて対流性で雨が強い時には精度が大幅に低下(85%過小評価)することを確認した.一方,開発したアルゴリズムでは100mm/hを越える強雨の時でも精度よく(9%過大評価で)観測できることが分かった.この研究についてはヨーロッパ気象レーダー会議(ERAD)などで発表を行った.これとは別に降雨強度の推定に誤差となる雹の影響を観測データから低減させる手法についても開発した.

2) 豪雨をもたらす積雲識別手法の開発

科研費で開発した偏波レーダーシミュレーターの計算結果を実際のレーダー観測に応用して,豪雨をもたらす積雲を識別するための手法を開発し,実際のデータでこれを検証した.その結果は国際学会および論文誌(Atmospheric Measurement Techniques)に発表を行った.

(2)当初計画からの変更点(研究手法の変更点等)

平成24年度より,GPS等衛星測位技術を用いたリモートセンシング研究を,追加した.

(3)成果の他の研究への波及状況
(3)-1:本課題の成果から施策や他の研究への波及状況

(外部機関や所内外の研究課題への波及効果)

[シビア現象の監視及び危険度診断技術の高度化に関する研究]

本研究で開発した二重偏波レーダーデータ解析技術を,つくば竜巻の事例解析に用いている.

当課題で開発したGPSによる水蒸気非一様性指標を用いた顕著現象の直前探知・予測可能性の研究を,「シビア現象の監視及び危険度診断技術の高度化に関する研究」で行っている.

[メソスケールデータ同化とアンサンブル予報に関する研究]

当課題で開発したGPSによる可降水量,天頂遅延量,視線遅延量が,データ同化実験に利用されている.

[意図的・非意図的気象改変に関する研究]

当課題で開発したGPSによる可降水量,視線遅延量が,マイクロ波放射計との比較に利用されている.

[地上観測による大気要素の放射収支への影響の実態解明]

当課題で開発したGPSによる可降水量が,マイクロ波放射計との比較に利用されている.

[レーダ活用による河川情報高度化検討会Xバンドレーダ分科会]

この検討会は,国土交通省の整備しているXバンドMPレーダ網(XRAIN)の精度および利活用の向上を図ることを目的としている.この検討会に対し,本研究で開発したレーダーの品質管理手法など技術情報を提供している.

[次期DRAW検討委員会]

この委員会は,気象庁が空港に整備している空港気象ドップラーレーダー(DRAW)について,今後更新する際の仕様を検討することを目的としている.電波行政上,今後更新される気象レーダーは,占有帯域幅の大幅な縮小が求められることから,本研究で用いている固体素子二重偏波レーダーの技術情報を提供している.

[国土交通省及び気象庁におけるレーダ雨量観測に関する検討会議]

この会議は,国土交通省及び気象庁の有する気象レーダーについて,相互に更に有効利用を図るための会議である.国土交通省ではCバンド偏波レーダーが展開されつつある状況にあり,偏波情報の特性についての情報を提供している.

科学技術・学術政策推進費[気候変動に伴う極端気象に強い都市創り]

本研究で開発した降水強度推定アルゴリズムは,戦略推進費「気候変動に伴う極端気象に強い都市創り」において,豪雨をもたらす積雲の解析等に用いている.また上空の雲水量の推定等,豪雨発生以前の上空の診断等にも用いている.一方,「極端気象の監視・予測システムの開発」会合において,GPSによる非一様性指標と,豪雨の関連について報告を行った.

運輸分野における基礎的研究推進精度「航空安全運航のための次世代ウィンドプロファイラによる乱気流検出・予測技術の開発」

本研究でこれまでに開発したウィンドプロファイラのスペクトルデータのノイズ除去手法等の信号処理技術の移転を行なった.なおこの課題の事後評価は,同じ年度に採択された 4 課題の中で最高の評価を受けた.

総務省委託研究【周波数の有効利用を可能とする協調制御型レーダーシステムの研究開発】有識者会議

NICTや東芝等が中心となって行っている次世代のレーダーの開発に,本研究の観測結果やシミュレーション結果を反映させ情報と技術移転を行っている.

[GRUAN(GCOS基準高層観測網)]

GRUAN登録サイト(ニュージーランド,LAUDER)におけるGNSS解析に,当課題で開発した手法を提供した.

(3)-2.他省庁予算及び共同研究等からの反映状況

(他省庁予算等研究課題から本課題への波及効果)

科学技術・学術政策推進費[気候変動に伴う極端気象に強い都市創り]

戦略推進費によって設置した地上観測装置により,本研究で開発した降水強度推定アルゴリズムの検証を行なっている.その成果は気象学会やERADなどの国際学会において発表を行っている.一方, GPS解析には,当該課題で東京湾周辺に展開した5点のGPS点の観測データも利用している.

科研費【豪雨前兆観測システムの開発】

科研費で開発した偏波レーダーシミュレーターの計算結果を用いて,実際のレーダーで観測したデータの降雨による減衰や仰角などの補正や理論値との比較,さらにレーダー観測データから雨滴の直径などの微物理量の推定を行っている.また地上で観測された雨粒の粒径分布からシミュレーターを用いて偏波パラメータに変換し,レーダーデータの精度評価等も行っている.

(4)今後の課題

1) 偏波情報の絶対校正

偏波レーダーの性能を最大限に活用するためには,絶対校正によりレーダーの精度がどの程度,理論値からずれているかを定期的に測定して調整し,機器誤差を可能な限り低減させる必要がある.誤差を最小にするための調整にはソフトウェア的に対応できるものとハードウェア的な対応を要する種類のものがある.前者については機器誤差をアルゴリズムに反映させればよいが,後者については導波管の径路長や送信タイミングの調整など製造メーカーの助力を必要とする.現在,絶対校正を反映させるためのハードウェア的な調整作業について製造メーカーと交渉し,準備を行なっている.具体的にはスペクトルアナライザー等を設置するレーダー校正のための場所を選定し,その校正場所とレーダーの間で無線LAN接続を確立させ,スペクトルアナライザーが無線LANでレーダーサイトから操作できることなど,絶対校正に必要な環境であることはこれまでに確認した.メーカーの準備が整い次第,絶対校正のための計測作業を実施する予定である.

2) 送信波の最適化,常時監視

気象研のレーダーに理論的に観測に最適な送信波形のパラメータを現在シミュレーションによって計算中である.しかし最適にすると出力が低下する等の別の問題が発生する可能性があり,実際の観測で調整を行なう必要がある.また送信器に入力した波形が最適であっても送信器によってこれが歪む可能性もある.例えば温度によっても送信器の特性が変わるので,アンテナから出力される送信波を常時監視し,これを送信器に入力する種信号の波形にフィードバックする必要がある.これにはハードウェアの改修が必要でこれについてもメーカーと協議中である.

3) レーダー特性の検証

これまでに行ってきた機器の改修によって偏波レーダーの特性が感度以外にも変化していることが予想される.検証観測等によってこれらを確認し,信号処理や解析アルゴリズムに反映させる必要がある.また絶対校正の結果についても可能な部分についてはアルゴリズムに反映させる必要がある.

4) 降水強度推定手法高度化

降水強度の推定において,現在世界的に主流なのは,偏波パラメータと降水強度の経験的な関係式を地上観測で先に求めてから,偏波レーダーデータに適用する手法である.本研究でもこれに準じて降水強度の推定を行った.しかし経験式は現象や季節・気温などによって変わり得るため,まだ誤差の生じる余地が残っている.そこで例えば,偏波レーダーのデータから粒径分布を物理的に推定し,降水強度を理論的に決定する手法を開発する必要がある.

5) GPS/GNSSの解析高度化

GPS水蒸気情報の精度向上にむけ,Glonass(ロシア)やQZSS(日本)等,GPS以外の測位衛星信号の利用に向けた研究を行う必要がある.また,将来の現業利用を想定した場合,GPS解析時間の短縮を図る必要がある.

2.自己点検

(1)到達目標に対する達成度

下記に示すとおり,目標は達成できた.偏波レーダーを用いた研究については初期の想定以上の成果が得られた

1) 固体化レーダー観測基盤技術の確立,観測データの検証・評価

電波資源の逼迫を解消する切り札と目された固体素子レーダーは,当初,レンジサイドローブ等の特有のノイズが顕著であったため,現業気象レーダーの後継とはなり得なかった.しかし本課題においてノイズの原因を究明し,その対策を見出したことにより,現業気象レーダーと同等以上の観測を可能とする技術を確立することができた.

偏波レーダーを用いた降水強度の推定に先立ち,その精度を検証するためにディスドロメータの精度を検証した.その結果,特に新しいタイプのディスドロメータは従来の転倒ます式雨量計や重量式雨量計に対して特に強い雨(>30mm/h)のときに過大評価する傾向があることが分かった.このような傾向は偏波レーダーのアルゴリズムの開発と検証には不具合が生じる.そこでその原因を調査したところ,特に新しいタイプのディスドロメータに用いられているアルゴリズムに誤りがあることを示唆する結果が得られ,その補正方法を開発すると共にその結果についてメーカーに連絡した.また同じタイプのディスドロメータを用いて研究を行っている海外の研究者に結果を提供した.この種のディスドロメータにこのような過大評価傾向があることは一部では知られていたがその原因が特定されたのは今回が初めてであった.この結果については国際学術誌で発表/公刊した.

2) リモートセンシングデータの高度利用化技術の開発

偏波レーダーで観測される偏波パラメータは雨滴に入射する電波の周波数や方向によって異なることが知られている.そこで豪雨時にディスドロメータなど地上測器で観測された雨滴の粒径分布を元に,科研費で開発した偏波レーダーシミュレーターを用いて気象研究所のレーダーが用いている周波数における雨滴の温度や仰角特性の計算を行った.次のこの計算結果を実際の偏波レーダーのデータに適応し仰角の補正をする手法を開発した.これにより特に発達する積乱雲内部の鉛直構造とその時間変化を観測することが可能となった.また偏波パラメータの違いから雹と雨を識別し雹による影響の割合を推定する手法を開発した.さらに偏波パラメータから雹の影響を取り除いた上で降水強度を推定する手法を開発し,あわせて降水による電波の減衰を補正することができた.地上観測との比較の結果,この手法により豪雨時でも従来の手法より2倍程度高い精度で降水強度を推定できることを確認した.これらの結果については英文の論文など学術誌や国際学会で発表を行ない,当初の目標は達成された.

3) リモートセンシングデータの利用高度化による雲・降水過程の解明

豪雨の直前探知の一環として2)で開発した仰角補正手法を用いて豪雨発生直前の降雨強度の鉛直プロファイルの計算を行った.一般に豪雨発生時には上昇流が強いため積乱雲内部の上空に雹が発生しその大半が地上に落下する.従来のレーダー観測では雹と雨の識別ができず,結果的に降水強度推定に大きな誤差となっていた.しかし今回の手法では仰角補正に加えて雹がどの程度混入しているかを推定することができるため,より精度よく降水強度の鉛直プロファイルを推定できた.その結果,豪雨をもたらす積雲では10分ほど直前に上空に降水強度が高い領域が形成されることが分かった.また観測では高降水強度域が時間と共に発達をしながら落下する様子や,雹が形成されて落下する様子も解析され降水や雹がどの高度(気温)や時期に形成/発達するのかの知見を得た.さらに上空の降水域が地上に到達する時間も推定し,この推定時刻が実際の地上で大雨が始まった時間と一致することも確認した.また,豪雨をもたらす積雲では偏波レーダーの観測で上空に強降雨域を形成する前にhigh-Zdrコラムという現象が見られた.これは上昇流が強く発達傾向にある積雲に見られる特徴で,豪雨をもたらさない積雲にはこのような特徴は見られなかった.これらのことから上空の高い降水強度やhigh-Zdrコラムといった偏波レーダーから得られる解析値が,潜在的に豪雨をもたらす積雲とそうでない積雲を識別するのに有効であることが分かった.これらの結果については英文の論文など学術誌や国際学会で発表を行い,当初の目標を達成した.

(2)研究手法及び到達目標の設定の妥当性

本研究の一部である偏波レーダーを用いた研究の手法は当初以下のように設定していた.すなわち新しい技術であるが固体素子を使ったレーダーがどの程度気象レーダーとして基礎的な技術を開発/確立し程度の性能があるのかを評価し,次いでこのデータを高度利用する技術を開発し,実際の観測に応用して降水過程を検証するというものであった.偏波レーダーの観測パラメータの最適化など一部にまだ今後も開発する余地がある技術は残っているものの,当初の目標はほぼ達され,その成果についても所長表彰や長官表彰,国際会議等での評価が得られていることから設定した到達目標は適切で妥当であったと考える.

(3)成果の施策への活用・学術的意義

本研究の一部である偏波レーダーを用いた研究では施策への活用が可能な結果や学術的に意義がある結果が得られた.例えば,今回開発した偏波レーダーによる降水強度の推定手法は現在気象庁が用いている手法よりも特に豪雨時には2倍程度精度が高いことが示された.とくに偏波パラメータの中には降雨による電波の減衰の影響を受けない,位相情報を用いたものがありこれを用いれば(例えば2013年に大島で見られたような)豪雨であってもより正確な降水強度が推定できることが示された.また偏波レーダーを用いれば豪雨をもたらす積雲とそうでない積雲が直前(15分程度前)に探知/識別できる可能性があることも分かった.リーディングタイムは短いが,緊急地震速報のように現在の技術を用いれば該当する地域の住人に直前に知らせることで被害を減少させることができる可能性もある.このような積雲の識別は施策だけでなく学術的にも意義があると考えられる.また開発した雨量強度推定アルゴリズムの検証の一環としてディスドロメータのアルゴリズムにバグがありその原因と対策を明らかにした.このディスドロメータは現在世界的に使用されており,準標準器として用いられている(気象研で30台程度).しかし2−3年ほど前からこのディスドロメータで観測された降水強度に過大評価の傾向があることが知られ,例えば2013.8月の論文(Tokay et al 2013 JTECH)ではこの過大評価傾向は観測に用いているレーザーが不均一なためではないかと推定しているが,原因はこれまで知られていなかった.今回その原因をほぼ推定しその対策を初めて示し学術雑誌に発表したことから今後この種の装置を用いた観測と学術研究に貢献できるものと考えられる.

本課題から得られた固体素子レーダーおよび二重偏波レーダーに関する知見は,「Xバンドレーダ分科会」および「コンソーシアム」への参加を通して国土交通省のXRAIN(Xバンドの二重偏波レーダー網)の品質評価・データ利用に,および気象庁の次期空港気象ドップラーレーダーの仕様策定に役立てられている.

(4)総合評価

本研究の一部である偏波レーダーを用いた研究では当初予定していた基礎技術の開発,データの高度利用技術の開発,実際の観測への応用の3つの目標を全て達成し,併せてそれ以外にも潜在的に豪雨をもたらす積乱雲の直前探知やディスドロメータのデータ補正方法など学術研究に寄与する成果も得ている.一方,偏波レーダーのwave formの最適化など世界的に現在進行中の研究にも比肩しうる成果も得られつつある.従って,偏波レーダーを用いた研究は予想以上の成果が得られたと考える.

今後は最適化のためにはこれまでのソフトウェアによる対応ではなくメーカーや海外の大学との提携によってソフトウェアと共にハードウェアの改修を含めた研究が必要となる.このため同様なレーダーの研究を行っているオクラホマ大学とメーカーである東芝および気象研究所の間で共同研究の契約を2011年に結び現在も共同研究を続けている.

3.参考資料

3.1 研究成果リスト
(1)査読論文 11件

1. Ahoro Adachi, T. Kobayashi, H. Yamauchi, and S. Onogi, 2013; Detection of potentially hazardous convective clouds with a dual-polarized C-band radar, Atmos. Meas. Tech., 6, 2741-2760. .

2. Ahoro Adachi, T. Kobayashi, H. Yamauchi and S. Onogi, Detection of potentially hazardous convective cells with a dual-polarized C-band radar, Proceedings of the 9th International Symposium on Tropospheric Profiling, ISBN/EAN: 978-90-815839-4-7, Published by the ESA Conference Bureau, 2012.

3. Ahoro Adachi, Takahisa Kobayashi, Hiroshi Yamauchi, Shigeru Onogi, 2011: Detection of convective cells with a potential to produce local heavy rainfalls by a C-band polarimetric radar, proceedings of the SPIE Remote Sensing Conf. Remote Sensing of Clouds and the Atmos. XVI, 81770P1-81770P6, 2011. doi: 10.1117/12.897807.

4. Ahoro Adachi, Takahisa Kobayashi, 2009: A nonclassical gust front and a solitary wave embedded within a typhoon as observed with Doppler radar and wind profiler, J. Meteor. Soc. Japan, 87, 57-82.

5. Horiguchi, M., T. Hayashi, A. Adachi, S. Onogi, Large-scale turbulence structures and their contributions to the momentum flux and turbulence in the near-neutral atmospheric boundary layer observed from a 213-m tall meteorological tower, Boundary-Layer Meteorol, 144, 179-198, 2012.

6. Kawabata T., Y. Shoji, H. Seko, and K. Saito, 2013: A Numerical Study on a Mesoscale-Convective System over a Subtropical Islandwith4D-Var Assimilationof GPS Slant Total Delays, J. Meteor. Soc. Japan, 91,705-721.

7. Kobayashi Takahisa, Kazuhiko Masuda, Hiroshi Yamauchi, Ahoro Adachi, 2011: Physically-based Simulator for measurements of precipitation with Polarimetric and Space-borne Radars, proceedings of the SPIE Remote Sensing Conf., Remote Sensing of Clouds and the Atmos. XVI, 817710P1-817710P6, 2011. doi: 10.1117/12.897702.

8. Kudo, Atsushi, 2013: The Generation of Turbulence below Midlevel Cloud Bases: The Effect of Cooling due to Sublimation of Snow. J. Appl. Meteor. Climatol., 52, 819–833..

9. Sato K., E. Realini, T. Tsuda, M. Oigawa, Y. Iwaki, Y. Shoji, and H. Seko, 2013:A High-Resolution, Precipitable Water Vapor Monitoring System Using a Dense Network of GNSS Receivers, Journal of Disaster Research, 8, 37-47.

10. Shoji Y. 2013: Retrieval of Water Vapor Inhomogeneity Using the Japanese Nationwide GPS Array, J. Meteor. Soc. Japan, 91, 43-62.

11. Shoji Y., H. Yamauchi, W. Mashiko, and E. Sato, 2013: Estimation of Local-scale Precipitable Water Vapor Variation Around Each GNSS Station using Slant Path Delay. SOLA, (submitted).

(2) 査読論文以外の著作物(翻訳,著書,解説)4件

1. 加藤輝之, 山内洋, 2013:竜巻の解析とメカニズム, 平成24年度予報技術研修テキスト, 81-87.

2. 山内洋,鈴木修,規格化コヒーレント電力NCPを用いたドップラー気象レーダーの品質管理,測候時報, 79,39-52,2012.

3. 山内洋, 小司禎教, 足立アホロ, 佐藤英一, 2013:気象研究所・二重偏波ドップラーレーダーで捉えた竜巻渦, 2012年5月6日の茨城・栃木の竜巻に関する調査研究報告会, 天気, 60, 49-50.

4. 気象庁(山内洋), 2012: Cバンド固体素子二重偏波ドップラー気象レーダー, 気象業務はいま2012, 150-151.

(3)学会等発表
ア.口頭発表

・国際的な会議・学会等:14件

1. Adachi, A., T. Kobayashi, H. Yamauchi and S. Onogi, Detection of potentially hazardous convective cells with a dual-polarized C-band radar, the 9th International Symposium on Tropospheric Profiling, L’Aquila, Italy, 2012.

2. A. Adachi, T. Kobayashi, H. Yamauchi, and S. Onogi, 2013; Detection of potentially hazardous convective clouds with a dual-polarized C-band radar, International Symposium on Earth-Science Challenges (ISEC) 2013.

3. Adachi, T. Kobayashi, 2009: Observational study of a gust front triggered by vertical momentum transport within a typhoon, 8th International Symposium of Tropospheric Profiling, S02 - O03

4. Ichikawa R., T. Hobiger, Y. Shoji, and Y. Miyauchi, The impact of data assimilation of ground-based GPS precipitable water vapor to numerical weather prediction model on estimation of ray-traced atmospheric slant delays, American Geophysical Union’s Fall Meeting, 2012年12月3日

5. Jones, J., G. Guerova, J. Dousa, O. Bock, G. Elgered, H. Vedel, E. Pottiaux, S. de Haan, R. Pacione, G. Dick, J. Wang, S. I Gutman, J. Wickert, K. Rannat, G. Liu, J. Braun, and Y. Shoji, International Collaboration in the field of GNSS-Meteorology and Climate Monitoring, American Geophysical Union’s Fall Meeting, 2012年12月3日

6. Kobayashi, T., and A. Adachi, 2009: Space-borne measurements of changes in cloud optical thickness and cloud drop size associated with precipitation, 2009 International Geoscience and Remote sensing Symposium, Cape Town, South Africa.

7. Sato, E., C. Fujiwara, K. Kusunoki, and S. Saito, 2013: Characteristics of descending reflectivity cores observed by Ku-band radar, 36th Conf. Radar Meteor., Breckenridge, Colorado,

8. Shoji, Y., Retrieval of Water Vapor Anisotropy using the Japanese Nationwide GPS Array and its Potential for Monitoring of Convective Precipitation, American Geophysical Union’s Fall Meeting, 2012年12月3日

9. Shoji, Y., H. Yamauchi, W. Mashiko, and E. Sato, The Use of GPS/GNSS Slant Delays for Early Detection of Local Severe Thunderstorms, The 5th Asia Oceania Regional Workshop on GNSS, 2013年12月3日,ハノイ/ベトナム.

10. Shoji, Y., H. Yamauchi, W. Mashiko, and E. Sato, GPS/GNSS slant delay: analysis procedure and application for monitoring of water vapor variation associated with severe thunderstorms, First International Workshop on Tokyo Metropolitan Area Convective Study on Extreme Weather resilient Cities, 2013年12月4日,つくば.

11. Shoji, Y., H. Yamauchi, W. Mashiko, and E. Sato, Estimation of Water Vapor Variation Around Each GPS/GNSS Station Using Slant Path Delay, 第243回生存圏シンポジウム「東南アジアにおける衛星測位データの有効活用に関する国際シンポジウム」,2014年1月13日,バンドン/インドネシア.

12. Wada, M., N. Anraku, H. Yamauchi and A. Adachi, 2012; Operational usage of solid-state weather radar, WMO Technical conference on meteorological and environmental instruments and methods of observation, P1-26.

13. Yamauchi, H., H. Niino, O. Suzuki, Y. Shoji, E. Sato, A. Adachi, and W. Mashiko, 2013: Vertical Structure of the Tsukuba F3 Tornado on 6 May 2012 as Revealed by a Solid-state Polarimetric Radar. International Symposium on Earth-Science Challenges (ISEC) 2013, Uji, O37.

14. Yamauchi, H., H. Niino, O. Suzuki, Y. Shoji, E. Sato, A. Adachi, and W. Mashiko, 2013: Vertical Structure of the Tsukuba F3 Tornado on 6 May 2012 as Revealed by a Polarimetric Radar. 1st International Workshop on Tokyo Metropolitan Area Convection Study for Extreme Weather Resilient Cities, Tsukuba.


・国内の会議・学会等:16件

1. 足立アホロ, 小林隆久, 山内洋, 小野木茂, レーダーシミュレーターによる偏波パラメタ計算結果のレーダー観測への応用(その3)偏波レーダーによる豪雨をもたらす積乱雲の直前予測の可能性, 2012年度春季大会講演予稿集, C403, 101, 日本気象学会, 2012

2. 山内洋, 足立アホロ, 鈴木修, 佐藤英一, 小林隆久, 2012:Cバンド固体素子二重偏波レーダーで捉えた2011年8月26日の東京の大雨.日本気象学会2012年度春季大会,D163.

3. 山内洋, 2012:気象レーダーの革新-固体素子送信器が実現する高速・高精度な二重偏波観測-, 平成24年度気象庁施設等機関研究報告会.

4. 小司禎教,手塚賢太郎, 樊春明,GNSS を用いた東京湾周辺の水蒸気変動解析,平成24年度測位航法学会全国大会,2012年4月20日

5. 山内 洋, 鈴木修, 猪上華子, 和田将一, 堀込淳一, 2009: 気象研究所Cバンド固体素子二重偏波ドップラーレーダー, 日本気象学会,2009年度日本気象学会春季大会講演予稿集, D102.

6. 山内 洋,鈴木 修,中里 真久,猪上 華子,益子 渉,星野 俊介,小林 隆久,足立 アホロ,2010:2009年10月8日に土浦市で発生した竜巻の親雲の特徴,日本気象学会2010年度春季大会講演予稿集,97, 63.

7. 山内洋, 小司禎教, 佐藤英一, 足立アホロ, 益子渉, 2012:気象研究所・二重偏波ドップラーレーダーで捉えた竜巻渦, 2012年5月6日の茨城・栃木の竜巻に関する調査研究報告会, 日本気象学会,2012年5月27日.

8. 山内洋,足立アホロ,小林隆久,猪上華子,小野木茂,山田昭裕,飯塚治道,2009: 重量式および転倒ます型雨量計を用いた光学式ディスドロメータの精度検証, 日本気象学会秋季大会講演予稿集,96,313

9. 小林隆久,増田一彦,2009: 衛星で観測した雲光学的厚さと雲粒サイズに及ぼす降水の影響, 日本気象学会秋季大会講演予稿集,96, 297

10. 小野木茂,足立アホロ,2009: 1.3GHzウィンドプロファイラーの下層測風性能の改善,日本気象学会秋季大会講演予稿集,96, 318

11. 山内洋,足立アホロ,小林隆久,猪上華子,小野木茂,山田昭裕,飯塚治道,2009: 重量式および転倒ます型雨量計を用いた光学式ディスドロメータの精度検証, 日本気象学会秋季大会講演予稿集,96,313

12. 山内洋, 足立アホロ, 小林隆久, 鈴木修, 猪上華子, 小野木茂, 2010: Cバンド固体素子二重偏波レーダーによる降水強度推定の検証, 日本気象学会秋季大会講演予稿集, 98, 281.

13. 小林隆久, 増田一彦, 足立アホロ, 山内洋, 2010: 雲・降水レーダーシミュレーターの開発 -2-, 日本気象学会秋季大会講演予稿集, 98, 282.

14. 足立アホロ, 小林隆久, 山内洋, 小野木茂, 2010: レーダーシミュレーターによる偏波パラメタ計算結果のレーダー観測への応用, 日本気象学会秋季大会講演予稿集, 98, 283.

15. 小林隆久, 増田一彦, 2010: 衛星搭載レーダの多重散乱シミュレーション, 日本リモートセンシング学会第49回学術講演会.

16. 足立アホロ,真木雅之,小林隆久,鈴木修,三隅良平,山内洋,石原正仁,課題1観測グループ, 2011: 科学技術戦略推進費「気候変動に伴う極端気象に強い都市創り」の概要とその観測機器の紹介, 日本リモートセンシング学会, 第50回学術講演会, 招待講演.

イ.ポスター発表

・国際的な会議・学会等:9件

1. A. Adachi, T. Kobayashi, H. Yamauchi, and S. Onogi, 2013; Radar calibration using polarimetric observations with rain attenuation correction, the 36th Conference on Radar Meteorology, Breckenridge, Colorado, USA.

2. Adachi, A., T. Kobayashi, H. Yamauchi, and S. Onogi, 2012: Rainfall estimation and detection of hazardous convective cells with a dual-polarized C-band radar, AGU Chapman Conference on Remote Sensing of the Terrestrial Water Cycle, Waikoloa, USA

3. Adachi, A., T. Kobayashi, H. Yamauchi, and M. Ishihara, 2009: A Nonclassical Gust Front embedded within a Typhoon as Observed with Doppler Radar and Wind Profiler, International Symposium on Radar and Modeling Studies of the Atmosphere, Po-8

4. Anraku, N., M. Wada, A. Adachi and H. Yamauchi, 2013: Solid-State Pulse Compression Radars in Japan, 36th Conf. Radar Meteor., Breckenridge, Colorado, 158.

5. Kobayashi, T., and A. Adachi, 2009: Effects of precipitation on cloud optical thickness derived from combined passive and active space-borne sensors European General Assembly, Wien, Austria

6. Kobayashi, T., K. Masuda, A. Adachi and H. Yamauchi, 2010: Development of a radar simulator for space-borne and polarimetric radar, 6th European Conference on Radar in Meteorology and Hydrology.

7. S. Sugimoto, T. Kobayashi and A. Adachi, 2013: Effect of multiple scattering in GPM precipitation radar measurement, the 36th Conference on Radar Meteorology, Breckenridge, Colorado, USA.

8. Yamauchi, H., H. Niino, O. Suzuki, Y. Shoji, E. Sato, A. Adachi, and W. Mashiko, 2013: Vertical structure of the Tsukuba F3 tornado on 6 May 2012 as revealed by a polarimetric radar, 36th Conf. Radar Meteor., Breckenridge, Colorado, 320.

9. Yamauchi, H., A. Adachi, O. Suzuki and T. Kobayashi, 2012: Precipitation estimate of a heavy rain event using a C-band solid-state polarimetric radar, 7th European Conf. on Radar in Meteorol. and Hydrol., Toulouse, France, 201SP.


・国内の会議・学会等:7件

1. 足立アホロ, 小野木茂,小林隆久,2009: 1.3GHzウィンドプロファイラーによる雨滴粒径分布の抽出(第2報),日本気象学会春季大会講演予稿集,95, 330

2. 足立アホロ,山内洋,小林隆久,加藤輝之,2009: 雲・降水レーダーシミュレーターの開発(NHMデータへの応用), 日本気象学会秋季大会講演予稿集,96, 441

3. 足立アホロ,小林隆久,山内洋,小野木茂,2011: レーダーシミュレーターの偏波レーダー観測への応用(その2)反射因子差を用いた降水強度推定手法の特性, 日本気象学会秋季大会講演予稿集,100, 534

4. 小林隆久,増田一彦,足立アホロ,山内洋,2009: 雲・降水レーダーシミュレーターの開発, 日本気象学会秋季大会講演予稿集,96, 349

5. 小林隆久,増田一彦,足立アホロ,山内洋,2011: 雲・降水レーダーシミュレーターの開発:3 -雨滴生成モデル-, 日本気象学会春季大会講演予稿集,99, 297

6. 小司禎教,2013: GPSによる水蒸気非一様性の解析,第225回生存圏シンポジウム

7. 小司禎教,佐藤一敏,津田敏隆,2013: 精密衛星測位を用いた全球可降水量の長期解析,生存圏ミッションシンポジウム

3.2 報道・記事 12件

1. 気象研究所所長表彰:山内 洋,足立 アホロ,固体素子二重偏波レーダーの実用化に貢献した功績,2013年2月1日

2. 気象庁長官表彰:山内 洋,足立 アホロ,現業用固体素子二重偏波気象レーダーの開発に貢献した功績,2013年6月1日

3. 2013年気象集誌論文賞: Shoji Y., Retrieval of Water Vapor Inhomogeneity Using the Japanese Nationwide GPS Array, J. Meteor. Soc. Japan, 91, 43-62.

4. 気象庁, 2013: GPS等測位衛星を用いた視線方向の遅延量の利用に向けた研究開発, 気象業務はいま2013, P137.

5. 平成24年5月8日:NHKクローズアップ現代「国内最大級” 竜巻の脅威」(気象研究所固体素子二重偏波レーダーの観測結果紹介).

6. 平成24年6月5日:朝日新聞「レーダー 克明に記録 気象研究所が画像解析」.

7. 平成25年3月12日:日本経済新聞「竜巻,ごみ3km巻き上げ 昨年5月のつくば 気象庁が観測」

8. 平成25年4月26日:読売新聞「昨年竜巻 レーダーが観測」

9. 平成25年5月1日:朝日新聞「破片高さ3キロまで到達 つくばの竜巻 気象研究所が解析」

10. 平成25年6月13日:毎日新聞「ニッポンの最先端:TSUKUBA50年 気象庁気象研究所 ゲリラ豪雨,瞬時に判別」

11. 平成25年7月18日:読売新聞 ハテナ君が聞く「竜巻は予報できる?」

12. 平成25年9月5日:二重偏波レーダーによる竜巻の観測:TBSニュース23

3.3 その他(1(3)「成果の他の研究への波及状況」関連)

1. 「竜巻注意情報の改善に向けて~レーダー観測からのアプローチ~」,平成25年度防災気象講演会,2014年1月17日,群馬県庁

2. レーダー見学(NOAA NSSL), 2013年12月5日

3. レーダー見学(カナダ気象局), 2013年12月5日

4. レーダー見学(JICA集団研修「気象業務能力向上」), 2013年11月29日

5. GPS気象学の紹介(JICA集団研修「気象業務能力向上」), 2013年11月29日

6. レーダー見学および竜巻についての講義(埼玉県開智高校), 2013年11月6日

7. 「KuバンドレーダーによるDescending Reflectivity Core(DRC)の解析」(運動学的予測グループ月例会),2013年10月17日

8. レーダー見学および竜巻についての講義(矢板市自治会), 2013年10月8日

9. レーダー見学および竜巻についての講義(さいたま市民生委員), 2013年10月10日

10. 「視線遅延量を利用したGPS可降水量空間分解能向上の試み -2012年5月6日、2013年9月2日、4日の事例への適用-」(運動学的予測グループ月例会),2013年9月19日

11. 衛星測位を用いた水蒸気観測の紹介(山梨県甲府南高等学校),2013年7月25日

12. 「気象研Cバンド固体素子二重偏波レーダーを用いた研究」(運動学的予測グループ月例会),2013年7月18日

13. 国土交通大学校平成25年度専門課程高等測量研修講義「GPS/GNSS気象学」,2013年7月8日

14. レーダー見学および竜巻についての講義(真岡西中学校), 2013年6月26日

15. レーダー見学(ハノイ大学), 2013年5月21日

16. レーダー見学(科学技術週間), 2013年4月17日

17. レーダー見学(地学オリンピック), 2013年3月25日

18. 気象観測の最前線 -レーダーによる雨と風のリモートセンシング- (地学オリンピック,招待講演), 2013年3月24日

19. レーダー見学(埼玉県議会), 2013年1月21日

20. 「GPS視線遅延量による竜巻等激しい気象現象直前探知の可能性」(運動学的予測グループ月例会),2012年11月15日

21. レーダー見学(真岡市), 2012年11月5日

22. レーダー見学(JICA集団研修「気象業務能力向上」), 2012年11月9日

23. レーダー見学(奈良女子大学), 2012年9月27日

24. レーダー見学(筑波大学), 2012年8月9日

25. 国土交通大学校平成24年度専門課程高等測量研修講義「GPS気象学」,2012年7月12日

26. 「Cバンド固体素子二重偏波レーダーで捉えた2011年8月26日の東京の大雨」(運動学的予測グループ月例会),2012年6月21日

27. 「Cバンド固体素子二重偏波レーダーで捉えた竜巻渦」(運動学的予測グループ月例会),2012年6月21日

28. レーダー見学(科学技術週間), 2012年4月18日

29. レーダー見学(カナダ気象局), 2012年3月14日

30. レーダー見学(記者クラブ), 2012年3月14日

31. レーダー見学(地学オリンピック), 2012年3月27日

32. レーダー見学(コロラド州立大学), 2011年12月13日

33. 「偏波間位相差を用いた地形クラッタの影響の軽減」(運動学的予測グループ月例会),2011年11月24日

34. 「二重偏波レーダーで捉えた非降水エコー」(運動学的予測グループ月例会),2011年11月24日

35. レーダー見学(JICA集団研修「気象業務能力向上」), 2011年11月22日

36. レーダー見学(桜美林大学), 2011年10月26日

37. 気象の授業(つくば市立島名小学校), 2011年10月27日

38. レーダー見学(岡崎高校), 2011年8月25日

39. 国土交通大学校平成23年度専門課程高等測量研修講義「GPS気象学」,2011年7月15日

40. 国土交通大学校平成22年度専門課程高等測量研修講義「GPS気象学」,2010年7月13日

41. レーダー見学(自然災害軽減のための早期警戒システムと電磁界技術調査専門委員会), 2010年6月29日

42. レーダー見学(香港天文台), 2010年1月7日

43. 国土交通大学校平成21年度専門課程高等測量研修講義「GPS気象学」,2009年7月14



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