火山活動の監視・評価及び予測技術に関する研究


 地球物理学的手法および地球化学的手法を用いた研究により、火山活動の監視および評価技術を高度化します。また、大規模噴火にも適用できる噴火現象の即時的解析・予測技術の開発・改良を行います。
 これにより、気象庁火山業務における噴火警報、噴火警戒レベルの判定基準、降灰予報、航空路火山灰情報等の改善に貢献します。

  • 副課題1:地球物理学的手法による火山活動の監視及び評価技術
  • 副課題2:地球化学的手法による火山活動の監視及び評価技術
  • 副課題3:衛星解析等による火山噴出物の濃度・確率予測技術

V課題 概念図


研究期間

2024年度~2028年度


研究代表者

火山研究部長



研究目標

 地殻変動や火山ガスなどの観測データの解析をとおして、火山活動の理解を深めるとともに、火山内部の状態をより的確に把握することで、火山活動予測、火山活動評価の改善を図る。また、噴火に伴う浮遊火山灰や降灰等、噴火現象の即時的な把握技術および予測技術の開発を行う。

副課題1 地球物理学的手法による火山活動の監視及び評価技術
[テーマ1]]多項目データの整理・解析に基づく監視・評価技術の高度化
気象庁及び各研究機関によって蓄積された多項目データをより実用的な観点でデータベースとして整理し、監視・評価業務での利活用を図る。さらに、監視業務や噴火警戒レベルの判定基準等の高度化へ向け、データベースに集約された多項目の大規模データを基に、火山活動状態の確率的表現を目指した新たな視点による評価手法の開発を進める。
[テーマ2]監視データ解析処理技術の開発
迅速な異常検知と活動状況把握、及びこれらに基づく的確な噴火警報発表を実現するために、地殻変動、震動をはじめとする監視・観測データの自動処理システムを開発する。また、観測データのノイズ除去手法の開発など、異常検知力向上のための手法改良を進め、これらに反映してゆく。
副課題2 地球化学的手法による火山活動の監視及び評価技術
[テーマ1]熱水系卓越型火山の活動評価技術の高度化
繰り返し水蒸気噴火を起こす火山を主な対象として火山ガスや熱水、火山灰等を採取・分析することで水蒸気噴火の発生機構や発生場を考察するとともに、非噴火期においても活動消長の評価に有益な化学的指標の探索及び観測手法の改良・開発を進める。
[テーマ2]マグマ噴火卓越型火山のマグマ活動監視技術の高度化
マグマ活動の高い火山に対する監視技術の高度化を目指し、火山ガス中に含まれる二酸化硫黄の放出率を高い時間分解能で把握できる地上及び衛星による観測・解析技術の開発と改良を行う。また、地球物理学的観測データとの統合的な解釈に取り組むことで、マグマ活動推移の可視化を進める。
副課題3 衛星解析等による火山噴出物の濃度・確率予測技術
[テーマ1]気象衛星・レーダー等による噴火現象の解析
気象衛星・レーダー等の観測データを用いて、噴火規模の即時的推定や火山灰雲に含まれる火山灰量等、火山灰プロダクトの定量的解析技術を開発・改良する。
[テーマ2]火山灰濃度予測及び確率予測のモデル開発
火山灰プロダクト、大気場のアンサンブル予報及び移流拡散モデルを用いて、浮遊火山灰の濃度予測及び確率予測技術を開発・改良する。さらに新しい噴煙モデルを用いて、風の影響や傘型噴煙を考慮した浮遊火山灰及び降灰予測技術を開発・改良する。


各年度の研究計画

研究計画の詳細は以下のファイルをご覧ください。

2024年度(PDF 293KB)