c5 雪氷物理過程の観測とモデル化による雪氷圏変動メカニズムの解明
期間
平成26年度~平成30年度
研究代表者
保坂征宏 気候研究部第6研究室長
担当研究部
気候研究部
目的
雪氷圏変動の実態把握のため、地上観測装置及び衛星リモートセンシングによる雪氷物理量の観測・監視を行い、それらを基に雪氷放射過程や積雪変質過程などの物理プロセスモデルを高度化し、雪氷圏変動メカニズムの解明及び予測精度向上に資する。

目標
地球温暖化の影響が最も顕著に現れる雪氷圏変動の実態把握、変動メカニズム解明、 予測精度向上のため、放射伝達理論に基づき、以下の3 つの研究を実施する。
①雪氷物理量を測定するための新しい技術開発と連続観測
雪氷物理量を測定するための近赤外カメラ、全天分光日射計、波長別アルベド・反 射率測定装置、カーボン・エーロゾル分析装置等の開発・改良、及び放射伝達理論に 基づいた解析アルゴリズムを開発する。これらの装置と自動気象観測装置を合わせて 雪氷の放射特性、物理特性の長期監視を行う。
②積雪・エーロゾル等放射過程の改良と衛星による雪氷物理量の監視
積雪・エーロゾル等の非球形粒子の光学特性を精度良く計算するための非球形散乱 モデル、及び光吸収性エアロゾルの混合モデルを改良する。また、これらを用いて衛 星リモートセンシング・アルゴリズムを改良し、主に極域及び日本周辺における雪氷 物理量の空間変動と15 年以上の監視を行う。さらに、下記③の積雪変態・アルベド・ プロセス・モデル(SMAP)(Niwano et al., 2012)における衛星データの利用試験を行 う。
③ 各種ホストモデルで使用できる雪氷物理プロセスモデルの高度化
地球システムモデルや領域気象予測モデル等で使用できる雪氷放射過程や積雪変 質過程などの精度向上を図り、積雪アルベド物理モデル(PBSAM)(Aoki et al., 2011) による短波アルベドの精度で5%、SMAP による積雪深の精度で10%以上を目標とす る。さらに、JMA-NHM へのSMAP モデルの組み込み試験を行う。
各年度の研究計画
研究計画の詳細は以下のファイルをご覧ください。
平成26年度(PDF 401KB) 平成27年度(PDF 519KB) 平成28年度(PDF 400KB)
平成29年度(PDF 399KB) 平成30年度(PDF 387KB)