令和4年度 気象研究所 研究成果発表会

気象・地象・水象のメカニズムに迫る
~仕組みを理解し、予測につなげる

令和4年度気象研究所研究成果発表会は終了しました。
多数のご視聴ありがとうございました。
近日中に本発表会の動画を公開予定です。

日本では近年も、台風、線状降水帯による豪雨災害、地震、火山噴火といった自然災害が発生しており、防災・減災に向けた対応が重要な課題となっています。今回の研究成果発表会では、これら顕著現象の発生メカニズムの理解に向けた、最新の研究の動向をご紹介いたします。

はれるん

開催日時

令和5年1月21日(土)13:30-16:30

講演題目

講演題目は以下の4題目です。
  • ① 線状降水帯のレビューと今年度実施した集中観測の報告
  • 台風・災害気象研究部 部長 加藤 輝之
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     線状降水帯は土砂災害や河川の氾濫などをもたらす集中豪雨の大半を引き起こします。線状降水帯という用語は2000年頃から気象研究所の研究者が使い出したもので、本発表ではこの用語の由来から、線状降水帯がどのような場所で、いつ頃発生しやすいのかを説明します。また、線状降水帯がどのように発生・形成するかについても解説します。
     気象研究所では、線状降水帯の発生環境場や内部構造を捉え、その発生・停滞・維持等に関する重要な要素を定量的に把握するために、大学や研究機関と連携して、2022年梅雨期に東シナ海から九州を中心として、海上および陸上で様々な測器を用いて集中観測を実施しました。その概要について報告します。


  • ② 線状降水帯の機構解明と予測技術向上に向けた研究の進捗
  • 気象観測研究部 部長  瀬古 弘
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     線状降水帯の機構解明研究を推進するため、東シナ海から九州を中心とした集中観測に加えて、線状降水帯の発生環境や内部構造の特徴を捉える研究を進めています。 線状降水帯の観測データや数値予報モデルによる実験を用いて得られた解析結果として、線状降水帯の発生には下層における大量の水蒸気の流入が重要であること、線状降水帯の発達・維持に降雨によって形成された冷たい空気が大きく影響している事例があることなどを紹介します。 また、線状降水帯の予測技術向上に向けた研究については、西日本に展開しているマイクロ波放射計を数値予報モデルの初期値改善に用いたときの効果を報告します。


  • ③ プレート境界大地震の発生メカニズムの理解に向けて
  • 地震津波研究部 研究官  野田 朱美
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     陸のプレートの下に海洋プレートが沈み込むプレート境界では、マグニチュード8を超える巨大地震が発生することがあります。そのため、プレート境界に隣接する日本列島では、将来のプレート境界地震発生を想定し、災害への備えをする必要があります。近年、地殻変動の観測技術が飛躍的に向上したことにより、プレート境界の現在の状態を捉えることができるようになってきました。例えば、南海トラフに沿ったプレート境界では徐々に歪みが蓄積し、次の地震発生に向けた準備が進んでいることが分かっています。
     気象研究所では、将来発生するプレート境界地震の地震像を予測することを目指して、最新の観測情報を取り入れたシミュレーション技術の研究開発を行っています。本講演では、地震発生の仕組みについて解説し、シミュレーション研究の一つである「地震シナリオ作成手法の開発」を紹介します。


  • ④ トンガで発生した火山噴火による潮位変化
  • 応用気象研究部 室長  高野 洋雄
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     昨年1月15日に、南太平洋にあるフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山で大規模噴火が発生し、それに伴う潮位振動(津波)が、国内をはじめ世界各地で観測されました。当初国内沿岸では噴火に伴う津波の影響はない、と考えられていましたが、実際には予想される到達時刻より数時間早くから潮位振動が発生、奄美などでは1mという大きな振幅も観測され、その原因について関心が集まりました。気象研究所でもこの潮位振動のメカニズムについて調査しました。
     本講演では、噴火の気圧波による潮位振動発生のメカニズムや今後の課題等について、南太平洋の気圧と潮位の観測値や、数値シミュレーションの結果をもとに紹介します。


ポスター

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ポスター

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 気象庁気象研究所企画室

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