北極海海氷の最新の将来予測研究に貢献しました
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令和2年4月22日
北極海の海氷面積は、夏になると減少し、冬になると再び増加します。この季節変動に加えて、地球温暖化の進行に伴い、北極海の海氷面積はここ数十年で急速に減少しており、北極海の気候や生態系に大きな影響を与えていることが、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書等で指摘されています。
地球温暖化の進行に伴う北極海の海氷域面積についての世界21の研究機関による予測結果が、ハンブルク大学のDirk Notz教授を中心にまとめられ、令和2年4月17日に国際誌Geophysical Research Letters に発表されました。気象研究所も予測実験とデータ解析等に貢献しました。
この論文では、地球規模の二酸化炭素の排出を今後急激に削減し、世界平均した年平均気温の上昇を産業革命以前から2℃以下に抑えたとしても、北極海で一時的に海氷がほとんどない状態になる(北極海の海氷域面積が100万平方キロメートルを下回る)夏が2050年までには出現しうると、多くの気候予測モデルが予測していることを示しています。
気象研究所では、引き続き、数値シミュレーション技術の高精度化に努め、地球温暖化対策に資する情報の発信を積極的に行っていきます。
気象庁気象研究所 全球大気海洋研究部 第四研究室 主任研究官 豊田
電話:029-853-8661
気候・環境研究部 第四研究室長 辻野
電話:029-853-8657