ライダー

ライダーの写真

ライダーは電波の代わりにレーザ光を用いたレーダーです。

パルス状のレーザ光を大気中に発射し、大気・雲・エーロゾルからの反射光を反射望遠鏡で集めて検出し、その強さやドップラー速度を測定することで、オゾンなどの大気微量成分や水蒸気、風、気温、エーロゾル、雲などの分布を測定します。高度(距離)方向に分解能を持ち、時間的に連続した観測を行える優れた特徴があります。

左の写真は水蒸気とエーロゾルを測定するライダーです。レーザ光の波長が532nm(緑色)、1パルスあたりのエネルギーが最大800mJ、繰り返し周波数が30Hz、反射望遠鏡の口径が1mです。測定高度範囲は高度100m~10kmまで、高度分解能は100m、時間分解能は3分です。他の観測手法に比べて高度・時間分解能が高い観測を行うことができます。

下の図は水蒸気混合比の鉛直分布の推移です。赤い領域ほど水蒸気混合比が大きいことを示します。高度5km以下に集中して存在する水蒸気量が時々刻々変化していく様子がわかります。

水蒸気混合比の鉛直分布