国土地理院のGPSは年々数が増え、それまで解析に用いていた直線トレンド、年周補正の係数(1998〜1999年のデータを基に山本氏が算出したもの)の改訂が必要になってきた。国土地理院の解析値もF3解になり、年周成分が格段に小さくなったため、とりあえず直線トレンドについて全国の観測点について調べなおした。そのデータ確認の過程で見つけたのがこの四国西部の長期的スロースリップである。地味な作業のちょっとしたご褒美のようなものだと思った。
要旨 ![]()
図 (a)-(e)1年間の変位から推定したすべり分布と、そのすべりから計算した理論的な上下変位分布。 (f) Hirose et al. (2007)で報告されたフィリピン海プレート上面の深さ分布と低周波地震の震央分布。 |