気象研究所 > 地震火山研究部 > 第二研究室 > 小林のページ > GPS東海6時間値面的監視

GPS東海地域6時間解析値の面的監視

(小林昭夫, 2007, 験震時報, 70, 67-72.)


 国土地理院では2004年に新しいGPS連続観測システム(GEONET)の運用を開始し,定常解析として6時間データを用いた解析を3時間ごとに実施している(測地観測センター,2004).これを受け,2005年度末には気象庁におけるGPSの監視対象が3時間値から6時間値に変更になった.


要旨
 東海地震監視に用いられているGPS6時間解析値について,短期再現性を3時間解析値およびGEONET最終1日解析値とともに調査した.この結果,6時間値のばらつきは観測時間の長さから統計的に推測される範囲内であり,監視の精度と速報性の両立に適していることがわかった.また,GPS3時間解析値に有効であった面的監視手法を6時間値にも適用し,ノイズレベルに相当する基準値を求めた.現在EPOSにおいてこの基準値を設定して面的監視手法の監視試験を行っている.



画像

図 1年間の面的監視結果の最大、最小値の変化。
 短期は一週間、長期は一ヶ月間。上から順に南北、東西、上下、発散、回転成分。 2004年9月から最大、最小値とも絶対値が大きくなっている。これは2004年9月に発生した紀伊半島南東沖の地震による影響で、東海地域では主に地震による変位が南向きだったために東西成分では小さい。