2-2 世界の降水量
世界平均(観測点の多い陸上のみ)した降水量は、気温のようなはっきりした長期傾向を示しません(図2-3)。一方、変化傾向を地域別に見ると(図2-4)、サヘル地域(サハラ砂漠の南側)や地中海地域の降水量は減少傾向、南北アメリカの東部、ヨーロッパ北部、アジア北部と中部では増加傾向にあることを示しています。その他の地域では長期変化の傾向は認められません。
図2-3
世界の陸上で平均した年降水量の時系列。1961年〜1990年の平均降水量を基準(ゼロ)としている。棒グラフがGHCNという有名な観測データセットに基づく毎年の値、青色の線はそれを滑らかにしたもの。他の色の線は他の観測データセットの値を滑らかにしたもの。(気象庁, 2008)
図2-4
年降水量の100年あたりの変化率。データ期間は1901〜2005年。基準となる期間は1961〜1990年。灰色は信頼できる長期変化を算出する観測データが不十分な地域。(気象庁, 2008)