「環境における人工放射能の研究2013」について



気象研究所では、1954年以来、60年にわたり大気及び海洋の環境放射能の研究を実施して参りました。その研究成果を、関係省庁の担当者の方々及び大学や試験研究機関の研究者の方々に広く周知していただくために、「環境における人工放射能の研究」と題した論文集を発刊して参りました.本論文集「環境における人工放射能の研究2013」は、福島事故後の二年のあいだに出版された論文(主に英語論文)を、過去から現在までの成果と最近のトピックスに関するテーマ毎に分類し、各テーマの冒頭に簡単な日本語の解説を加えて、一冊にまとめたものです。

60年にわたり継続的に続けられた環境放射能研究は、1950年代から1960年代にかけて行われた水爆実験や、1986年の旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所事故など、その時代時代の人工放射性核種の放出に伴う大気及び水圏環境への長期間に及ぶ影響を明らかにしてきました.そして、今新たに、本研究は、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故という悲しむべき事態の推移を、冷静かつ科学的に記述し理解する、という大きな課題をも担うことが期待されています。
本論文集が、環境における人工放射能の研究に係わる多くの研究者の研究の糧となり、関係省庁をはじめとする担当者の皆様の業務の一助となることを念じて止みません。

最後に、本研究を推進するにあたり、ご協力いただいた多くの気象官署の職員の皆様及び気象研究所の職員の皆様に深く感謝いたします。
なお、この研究は文部科学省および原子力規制庁放射能調査研究費により実施されています。

平成26年2月

気象研究所 研究総務官  三上正男






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