「令和6年能登半島地震」1月1日の地震に伴う津波に関する調査・研究の取組


最終更新日:2024年2月16日

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 気象研究所では、「地震と津波の監視・予測に関する研究」の一環として、「令和6年能登半島地震」の調査・研究に取り組んでいます。これまでに得られた成果の概要をおしらせいたします。気象研究所では、発生した津波の原因究明、津波予測精度の向上を目指して引き続き調査・研究を進めてまいります。


(1)津波波源域の推定
 日本海沿岸で観測された津波の到達時刻から逆算して津波波源域を推定したところ、その長さは約100 kmにわたり、能登半島の東北東方向の沖合まで及ぶことがわかりました(下図①の赤色の領域)。
 また、富山の検潮所における早い到達時刻は、その近傍にも津波波源が存在する可能性を示唆します(下図②)。
 これらの解析結果は、地震調査研究推進本部地震調査委員会の令和6年能登半島地震の評価(令和6年1月15日公表)に活用されています。

写真1
「令和6年能登半島地震」1月1日の地震における津波波源域の推定結果

 左図のさまざまな色の曲線は、各観測点(右図)の津波到達時刻から推定される津波波源域までの距離を示す。各曲線には、観測点名、地震発生から津波到達までの時間(単位:分)、及び津波第一波の押し(U)・引き(D)の別を併記した。複数の観測点から描かれた曲線で囲まれる領域を津波波源域として推定した。星印は2024年1月1日16時10分のM7.6の地震、黒丸印は同日16時以降1日間の地震の震央をそれぞれ示す。解析に用いたデータ等については、関連リンクを参照されたい。



(2)現地調査による津波の高さの測定
 石川県七尾市から富山県富山市にかけて津波の現地調査を実施しました。気象研究所が調査した七尾市下佐々波漁港と射水市海竜新町における津波の高さの測定成果も含め、気象庁としてとりまとめた調査結果が1月26日付報道発表にて公表されております。また、地震調査研究推進本部地震調査委員会の令和6年能登半島地震の評価(令和6年2月9日公表)に活用されています。

関連リンク

(1)令和6年能登半島地震の評価資料
令和6年1月15日 地震調査研究推進本部地震調査委員会
(津波波源域の推定について49枚目に記載あり。)
https://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2024/20240101_noto_2.pdf
令和6年2月9日 地震調査研究推進本部地震調査委員会
(津波波源域の推定について28枚目、現地調査について11枚目に記載あり。) https://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2024/20240101_noto_3.pdf

(2)令和6年能登半島地震における気象庁機動調査班(JMA-MOT)による津波に関する現地調査の結果について(令和6年1月26日 気象庁地震火山部) https://www.jma.go.jp/jma/press/2401/26a/20240126jma_mot.html


更新履歴

2024.02.02:第1版掲載
2024.02.16:第2版更新

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