台風・災害気象研究部の川端康弘研究官他2名の論文が気象集誌論文賞に選ばれました


このたび、日本気象学会の論文誌である気象集誌 Journal of the Meteorological Society of Japan(JMSJ)に掲載された台風・災害気象研究部の川端康弘研究官らの気象庁ドボラック再解析データから見られた強い台風の過去30年間(1987~2016年)のトレンドと発生位置に関する論文が気象集誌論文賞に選ばれました。この賞は、気象集誌に掲載された論文の中の優秀な論文に対して授与される賞です。

著者

川端 康弘 台風・災害気象研究部 第一研究室 研究官
嶋田 宇大 台風・災害気象研究部 第一研究室 主任研究官
山口 宗彦 応用気象研究部 第三研究室 主任研究官

対象論文

Kawabata, Y., U. Shimada and M. Yamaguchi, 2023: The 30-year (1987-2016) trend of strong typhoons and genesis locations found in the Japan Meteorological Agency’s Dvorak reanalysis data. J. Meteor. Soc. Japan, 101, doi: 10.2151/jmsj.2023-025

論文概要

1987年から2016年の30年間にわたる新たな台風データから、ハリケーンスケール・カテゴリー4相当以上(10分間最大風速約48m/s以上)まで発達した強い台風の経年変化を調査しました。これまでの研究では、強い台風の増加傾向を示すものもありましたが、期間を通して統一した手法に基づく再解析データを用いた本研究では、この増加傾向は見られないことがわかりました。また、強い台風の発生位置はより西側に移動していることや、最大強度に達した時の位置はより北西側に移動していることがわかりました。

関連リンク

新しいデータセットを用いて強い台風の過去30年間の変動を解析(令和5年12月13日 気象研究所プレスリリース)

2023年気象集誌論文賞について(日本気象学会のページへのリンク)


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