2022年1月に噴火したトンガ火山起源の成層圏エーロゾルを気象研究所のライダーにより観測しました
発表日
概要
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令和4年12月28日
気象研究所では、フランスソルボンヌ大学、国立環境研究所、ニュージーランド国立水圏大気研究所、ドイツユーリヒ総合研究機構、米国NASA、NOAA等と共同で、2022 年1月15日に噴火したフンガ・トンガーフンガ・ハアパイ火山による成層圏水蒸気とエーロゾルが全球に拡散したことを、衛星観測や地上ライダー観測、化学輸送モデルから明らかにしました。
この中、地上ライダーでの観測では、ニュージーランドのローダーにおいて2月8日の高度19 ㎞付近で、また、日本国内ではつくば市の気象研究所において3月31日の高度24 ㎞付近で、エーロゾル量が増加していることを初めて検出しました。
この噴火では硫酸ガスのみならず大量の水蒸気が成層圏に注入されました。その特異性と規模から、衛星や地上からのリモートセンシング技術が発達した1970年代以降で、最も注目されるべき気候イベントの一つであると言えます。本研究の結果、今回の噴火影響は成層圏の組成や気候に対して長期に継続し得る可能性があることがわかりました。
本結果は2022年12月14日付のCommunications Earth & Environmentに掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s43247-022-00652-x
気象庁気象研究所 気象観測研究部 第二研究室 室長 酒井 哲
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