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台風の強度推定
1. 静止気象衛星赤外画像による台風強度推定(ドボラック法)

海上の気象状況に関する観測データのうち、台風の解析に有用な時間・空間解像度のデータを確実に得ることができるのは、現状では静止気象衛星による観測と考えられます。特に可視・赤外画像は半世紀近く利用されています。

米国では1970年代にVernon Dvorakが衛星赤外画像を利用した熱帯低気圧(以後、台風とする)強度推定法を開発しました。これがドボラック法です。そこではまず、衛星画像で見られる台風の雲のパターンから、台風の強度を表すCI数を決定し、そこから下の表により最大風速・中心気圧を推定します。これはDvorak (1975; 1984) により求められた経験的な関係です。

ここで、CI数及び風速に対する中心気圧の値が大西洋と北西太平洋とで異なるのは、一般に大西洋の熱帯低気圧(ハリケーン)より北西太平洋の台風の方が水平スケールが大きい傾向があり、同じ風速(すなわち水平気圧傾度)が生じるためには北西太平洋の台風の方が中心気圧が低いはずだという考え方に基づきます。

ドボラック法による台風強度推定の誤差は、主に以下の要因によって生じ得ます。

  1. CI数の決定の誤差
  2. 上の表におけるCI数と風速・気圧との関係の誤差

このうちCI数の決定に関しては、従来は気象機関の解析当番が主観的に行っていたために担当者の経験やそれに関連する技量によっても異なる結果が生じ得たのですが、近年ではこれを自動化することによって解析から主観的判断を除く努力が行われています。
またCI数と風速・気圧の関係については、気象庁では独自の調査を行っています。
このような改善の努力を加えながら、この手法は各国主要台風センターによって30年以上利用されています。

参考文献

Dvorak, V. F., 1975: Tropical cyclone intensity analysis and forecasting from satellite imagery. Mon. Wea. Rev., 103, 420-430.

Dvorak, V. F., 1984: Tropical cyclone intensity analysis using satellite data. NOAA Tech. Report NESDIS 11, 47pp.


目次

  1. 静止気象衛星赤外画像による台風強度推定(ドボラック法)
  2. 気象庁の台風強度推定におけるドボラック法の適用
  3. 軌道衛星搭載マイクロ波センサーによる台風強度推定 ①マイクロ波放射計
  4. 軌道衛星搭載マイクロ波センサーによる台風強度推定 ②マイクロ波探査計
  5. 台風強度推定の例(2013年台風7号)

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Last update: 17 March, 2014

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