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台風の強度推定

台風は、成熟期の典型的な構造の場合、つまり軸対称性が強く明瞭な眼を持った場合には、中心付近で特に強い風が吹きます。そのためこの強風の直接の影響による災害に加え、高潮などの災害にも注意する必要があります。このような災害を軽減するためには、台風の進路予報の精度向上も必要ですが、同時に、台風が陸地に接近する前に台風の強度(風速・中心気圧)を知ること、つまり精度の良いデータを得ることも必要です。

しかし、台風が海上にあるうちは、このような風・気圧の直接観測データは、洋上に散在する島及び船舶の報告に限られ、中心付近の観測値はなかなか得られないのが実情です。北大西洋や北東太平洋の熱帯低気圧(ハリケーン)については米国が現業的に観測用航空機で貫通飛行を行い、中心付近でドロップゾンデという観測測器をを投下することによって気圧の直接観測データを得ていますが、北西太平洋の台風についてはそのような現業的な航空機観測は行われていません。このため、北西太平洋の台風の中心気圧や中心付近の最大風速については、衛星などのリモートセンシングデータを用いて「推定」を行う必要があります。

このような台風強度推定法としては、静止気象衛星の赤外画像等を用いた「ドボラック法」が広く用いられています。これは気象庁をはじめとして各国主要台風センターが30年以上使用している信頼のおける手法です。ただし、これは後に説明するような限界があり、また各センター間の手法の相違もあるので、結果的に強度推定値に差異が生じ得ます。

それでも、静止気象衛星の観測データを使用する方法としては、現在の科学技術ではドボラック法に勝るものはありません。従って、強度推定精度の向上を図るには、静止衛星データ利用より利便性に劣るものであっても別の手法を開発し併用することが有効と考えられます。それで近年は極軌道衛星の観測データを利用した台風強度推定手法等が開発されています。

ここでは、ドボラック法と、気象研究所で研究開発が行われている、衛星リモートセンシングデータを用いた台風強度推定法について紹介します。


目次

  1. 静止気象衛星赤外画像による台風強度推定(ドボラック法)
  2. 気象庁の台風強度推定におけるドボラック法の適用
  3. 軌道衛星搭載マイクロ波センサーによる台風強度推定 ①マイクロ波放射計
  4. 軌道衛星搭載マイクロ波センサーによる台風強度推定 ②マイクロ波探査計
  5. 台風強度推定の例(2013年台風第7号)

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Last update: 17 March, 2014

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