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重点研究「東海地震予知技術と南海トラフ沿いの地殻活動監視技術の高度化に関する研究」
(サブ課題1)監視・解析技術の高度化
1.3 地震活動評価の高度化

「相似地震の発生確率評価」

(2011/07/01)

1.研究目的

 繰り返し地震の発生間隔の特徴を明らかにし、確率予測モデルを構築する。

2.研究参加者

研究代表者: 岡田 正実(気象研究所地震火山研究部客員研究員)
研究協力者: 内田 直希(東北大学)
研究協力者: 青木 重樹(気象研究所地震火山研究部)

3.研究内容

 海溝型大地震はプレート境界で繰り返し発生しており、その発生確率評価が地震調査委員会ですでに実施されています。 しかし、発生間隔が数十年以上と長いことから予測の検証が容易でありません。 一方、相似波形をした小地震は、近年その性質が明らかにされつつありますが、 プレート境界の同じ小アスペリティで短期間に繰り返し発生すると考えられています。 本研究では、東北大学などの協力を得て、データの豊富な相似地震などの統計的調査を行い、 繰り返し地震の発生間隔の特徴を明らかにし、確率予測モデルを構築します。 相似地震の予測実験などを通じて、パラメータの最適化、物理過程の導入を試みるとともに、検証方法や地震の予測可能性について考察します。


図1.(左)相似地震163系列(群)における2010年の予測発生確率。(右)予測系列における2010年の地震発生状況。
 2010年の発生確率予測は、1993年以降に相似地震が5個以上あり、平均マグニチュードが2.75以上の163系列(群)で行いました。 牡鹿半島沖から襟裳岬の海岸沿いに発生確率が高いと予測されたグループが多く、そこでは該当地震が多く起きたことが分かります。 福島県・茨城県沖では、50%以下の系列でもかなり発生しました。


図2.2010年予測の発生確率の分布と観測結果。
 予測確率10%ごとに分けて集計すると、予想確率が高い系列で、発生した割合も高いことがよく分かります。 図の左側の棒(黄色)が該当系列の総数を表し、緑の部分が各確率の合計です。 右側の赤棒は当該地震が発生した系列数を表しますが、予測数(緑の部分)に近い値です。 2010年の予測成績は、統計的検定では棄却されませんが多少悪い成績でした。この年の前半は相当良い成績で推移しましたが、後半になると南部で多数の相似地震が発生し、結果的に全期間の成績がかなり劣るものになりました。ただし、北緯38度以北だけに限ると、かなりよい成績です。 なお、相似地震は、体に感じないような小さいものがほとんどで、被害等の心配はありません。


相似地震の確率予測(東北大)


Last update: 1, July, 2011


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