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衛星観測データの新しい解析処理技術の研究

Research on satellite data analysis and their processing

  数値予報モデルの精度向上や的確な地球環境監視を支援するため、 「新世代の衛星に搭載される多チャンネルサウンダのデータから大気状態を 高速・高精度で算出するための放射伝達モデルの作成」、「不規則な形状を もつ粒子の光散乱の計算手法の開発」、「衛星による偏光・多方向観測のデ ータ解析のためのアルゴリズム開発」などを行っています。静止気象衛星で 黄砂の飛来状況を監視できるようになったものこうした研究成果の一つです。
 数値シミュレーションで推定した、「多チャネルサウンダのデータから求めた 気温分布」の誤差の例(281個のチャンネルを使用)。従来2〜3℃あった誤差が 各高度で1℃以内に収まることが期待されます。  静止気象衛星の可視データを用いて非球形粒子モデルで算出した、日本近海上 の黄砂の分布。陸域・雲域は白色で表示。黄色から茶色で示した領域に黄砂が飛 来しています。
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ドップラーレーダーを用いた激しい擾乱の研究

Doppler radar activity on severe disturbances

  降水と風の空間分布の情報を同時に観測できる ドップラーレーダー を用いて「竜巻やダウンバースト(対流雲の下で生じる強い下降気流)などの 激しいメソスケール擾乱の探知と直前予知技術(前兆現象の探知技術)の開発」 を進めています。研究成果の一部は、主要空港に展開されている空港気象ドップ ラーレーダーに導入され、離発着時の航空機に危険な低層ウィンド・シアの監視 に使われています。台風に対しては、1台のドップラーレーダーで観測可能なレー ダービーム方向の風の成分(ドップラー速度)を利用して、中心付近の風の場を 高精度に導出する手法の開発を行っています。

  ドップラーレーダーの探知性能を強化する一環として、ランダム位相方式と 呼ばれる特殊な技術を基礎として、探知可能な最大風速を±54m/sに保ちながら、 探知範囲の拡大を図っています。これにより、台風などの激しい擾乱を観測できる 範囲が従来の125kmから250kmに拡げることができます。

↑ ダウンバーストの前兆現象
(a)は対流圏中層の風が顕著な収束を示す領域の広さ。

(b)は地面付近の風発散の強さ。中層の風収束が極大(P1、P2)と なった十数分後に、ダウンバーストによる地上付近の風の発散(D1、D2)が起きています。
(c)はこの時の地上付近における収束・発散の分布です。黄から赤色が強い発散域でダウン バーストの存在を示しています。
1台のドップラーレーダーで台風域の風を推定する手法の適用例で、 ドップラー速度分布図上に矢印で台風周辺の風の場が表現されています。台風中心は図の左下 に位置します。探知範囲を250kmに拡大する技術が利用できるようになったことで、従来より 遠方の台風とその周辺の風の様子が捉えられています。右図はその時の降水分布です。

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ライダーによる大気微量成分観測法の研究

Research on lidar observational technique for atmospheric minor constituents

  オゾン・エーロゾルなどの大気微量成分や水蒸気の対流圏での鉛直分布を高頻度・高分解能・ 高精度で観測するため、「複数波長のレーザ光を用いた差分吸収法」や「ラマン散乱」を用いた ライダーの技術開発や「鉛直分布を導出するア ルゴリズムの改良」を行っています。オゾンとエーロゾルについては、すでに完成した成層圏の 観測手法と合わせ、地上から高度40kmまでの両者の鉛直分布が観測可能となりつつあります。 水蒸気については、夜間のみならず昼間の観測も可能になります。研究成果の一部は現業用エー ロゾルライダー(岩手県三陸町綾里)に生かされています。

ライダーによるオゾンとエーロゾルの観測。 鉛直にのびる緑色のビームは波長0.532μmのレーザ光。

中〜上部対流圏オゾンの高度分布。
高度11km以上の高度のオゾンが時々刻々変化しています。

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気象観測システムの研究

Research on meteorological observation systems

 「ウィンドプロファイラの受信電波の 強度から水蒸気量の鉛直分布を導出するアルゴリズムの開発」、「音波源装置を付加したウィンドプロファイラ による風と気温の観測手法の開発(右図)」、「降水粒子の粒径分布の観測データとレーダー反射強度から降水 強度を精密に求めるアルゴリズムの開発」、「デジタルカメラで得られる二次元画像を画像・統計処理すること により、霧の中での視程や粒子情報を導出する手法の開発(視程計としての利用)」など、気象観測システムに 関するいろいろな研究を行っています。


ウィンドプロファイラで観測した、地上から高度600mまでの風と温位の鉛直分布
(高度100m以下は気象観測鉄塔の観測データを使用)。
北西からの冷気流が地面付近を通過している様子がわかります。

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