2 データと方法

 本研究ではECMWF作成の40年再解析データ(ERA40)のうち、南半球のデータ精度が比較的高くなった1968/69年以降2000/01年までのもの33年分を解析に用いた(Kuroda and Kodera, 2005)。太陽活動の指標である波長10.7センチの太陽電波強度(F10.7)はアメリカ大気海洋庁(NOAA)作成の月平均データを用いた。

 解析方法としては、まず南半球環状モード(SAM)を月々の気候場からの月々変動の第一変動モードとして抽出し、その時係数(SAM指数)を計算した。そして、Kodera(2002,2003)、Ogi et al. (2003)と同様に、期間平均を基準として太陽活動の高い年と低い年に分けてSAM指数を基にした相関解析を行った。太陽活動の強弱は南半球冬季7月から10月平均のF10.7を基準とした。またSAMの基準指数の季節としては10月11月平均を取った。(実際には、試行錯誤的に様々な月で同様な解析を行ったがこの時期のものが特徴的な性質を持っていたので、この時期のものを基準SAM指数とした。)しかる後、この基準指数に対しての高度場、平均東西風の相関解析を行った。

 さらに、この観測データで得られた結果を補強するために気象研究所で開発された化学=気候モデルの解析結果を援用した(Kuroda and Shibata, 2006)。このモデルは解像度がT42、鉛直層は0.01hPaまで45層を取ったバージョンであり、化学種としてはほぼ50種を扱っており、また物質輸送はセミラグランジュ法を用いている(Shibata et al., 2005)。