北極振動とは?(1)

 

図は、200912月の海面気圧の分布図です。上図の平年値と比べて気圧が高かったところは赤色、気圧が低かったところは青色で示されています。この図を見ると、何となく、北極域が赤色、その周り(中緯度帯)が青色になっていることが分かります。これは、海面気圧が北極域で平年よりも高く、中緯度帯で低くなっていることを表しています。このように北極域と中緯度帯で気圧の平年差が逆の傾向を示す現象を北極振動といいます。この200912月のような状態を北極振動指数が負の状態といい、逆に気圧偏差(平年との差)が北極域で負となり中緯度帯で正となるときを北極振動が正の状態であるといいます。この変動は、1998 年にデヴィッド・トンプソン(David W. J. Thompson)とジョン・ウォーレス(John M. Wallace)によって提唱された現象で、冬季に顕著に現れ、数週間程度から数十年程度までのさまざまな周期を持つ変動が重なっていると考えられています。

北極振動指数が負のときは、極を取り巻く偏西風(ジェット気流)が弱く、極からの寒気の南下が活発、日本をはじめとする中緯度帯では平年より気温が低めとなっています。また。冬の気温の変化によって海氷や積雪の量が変化することにより、中緯度の夏季の低気圧や高気圧に影響し、夏季の気候にも影響を与えていることも指摘されています。

なお、2009/10年冬に見られた負の北極振動は、比較できるデータのある1979/80年冬以降で、最も顕著なものでした(気象庁,平成2233報道発表資料)。

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図:200912月の海面気圧分布。等値線は気圧を表し(4hPaごと)、赤い色は