過去100年に観測された梅雨の変化

 

梅雨は日本人の季節感において重要な気象現象であると同時に、水資源の面から、また大雨など防災の面からも重要な現象である。東日本と西日本の気象官署37地点の地上観測データを元に、19012009年の梅雨期(6〜7月)の降水量の長期的な変化を調べた結果を紹介する。

1は、梅雨初期(6月上旬〜中旬)、梅雨中期(6月下旬〜7月上旬)、梅雨末期(7月中旬〜下旬)における地域平均降水量平年比の経年変化である。梅雨初期は、全域で100年あたり約20%の減少トレンド(信頼水準90%以上)が見られ、20世紀前半に明瞭な数十年規模の変動が卓越している。一方で梅雨末期は、日本海側地域では100年あたり約50%の増加トレンド(信頼水準95%以上)が見られ、年々変動が増加傾向にある。たとえば、日本海側地域における平年比250%以上の大雨年は20世紀後半以降に出現している。他方で、梅雨中期および梅雨期全体の降水量に有意なトレンドは見られない。観測された梅雨末期の降水量増加は、気候モデル実験による温暖化応答に類似していることから、地球温暖化の進行と関連している可能性がある。

 

 

オリジナル論文:

Endo, H., 2011: Long-term changes of Seasonal Progress in Baiu rainfall using 109 years (1901-2009) daily station data. SOLA, 7, 5-8.

図1 地域平均降水量平年比の経年変化

(a) 61日〜20日、 (b) 621日〜710日、(c) 711日〜31日。赤色線は東日本日本海側+西日本日本海側、青色線は東日本日本海側+西日本日本海側。太線は11年移動平均、直線は長期的な変化傾向。解析期間は19012011年。基準期間は19011930年。