IPCCに関わる地球温暖化予測に関する研究

研究期間: 平成21年〜平成25年(5年計画)


★研究目的

★研究目標
  1. 世界気候計画(WCRP)に設けられた結合モデル作業部会(WGCM)が策定した第5期結合モデル相互比較計画(CMIP5)の実験仕様に従い、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書(AR5)のための温暖化予測実験を地球システムモデルで行う。
  2. WCRP/WGCMと国際地球圏生物圏プログラム(IGBP)/過去気候変化(PAGES)が共同で策定した第3期古気候モデル相互比較計画(PMIP3) の実験仕様に従い、古気候実験を地球システムモデルで行う。
  3. 地球システムモデルの予測結果を、地域気候モデルの境界条件として提供する。
  4. 高解像度化した地球システムモデルによる温暖化実験を行う。


★研究内容の概要  
  1. 地球システムモデル(大気120km格子、海洋が経度1度・緯度0.5度、エアロゾル化学輸送モデル、オゾン等化学輸送モデル、炭素循環モデル)や大気海洋結合モデルでIPCC AR5で要請された必須(4つ)の温暖化予測実験を行う。代表的濃度経路Representative Concentration Pathways (RCP)を与える必須実験では、2100年での放射強制力が8.5ワット(RCP8.5)及び4.5ワット(RCP4.5)となる2つの場合について少なくとも100年積分を行う。この実験では、炭素循環モデルで推定された二酸化炭素フラックスにより、人為性排出量の推定を行う。一方、RCP4.5に対応した二酸化炭素の排出量を与える必須実験でも、少なくとも100年積分を行う。炭素循環の気候変化に対すフィードバックを評価する必須実験も行う。必須実験以外の推奨実験についても、近未来予測実験など優先度の高い順に実験を行う。完了した実験について、気温と降水量の変化だけでなく、モンスーンや気温と降水量の極端な現象の変化についても解析を行う。論文を執筆し、IPCC AR5に貢献する。
  2. PMIP3の取り決めに従い、CMIP5実験で使用するものと同じ仕様の地球システムモデル(大気120km格子)及び大気海洋結合モデル・大気海洋植生結合モデルで、完新世中期(6,000年前)及び最終氷期最盛期(21,000年前)のタイムスライス古気候再現実験(積分期間500年)を行い、モンスーンとENSOの変動について解析する。低解像度版(大気180km格子)の地球システムモデルで、最終間氷期初期(130, 128, 125千年前)の古気候再現実験を行い極と熱帯の昇温量・気候感度等の温暖化メカニズムを調べる。実験結果はPMIP3にデータ提供し、解析サブプロジェクトに参加する。論文を執筆し、PMIP3ばかりでなくIPCC AR5にも貢献する。
  3. 二酸化炭素の濃度を与えるRCP4.5実験(炭素循環フィードバック無し)と二酸化炭素の排出量を与えるRCP4.5実験(炭素循環フィードバックあり)については、日本域などの地域地球温暖化予測に関する研究で必要な側面境界値を、21世紀末と近未来について提供する。
  4. 大気の格子を60kmにした高解像度地球システムモデルにより温暖化実験と古気候再現実験を行う。


★波及効果