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オゾン層の変動に関する研究

大気中のオゾンは地上よりはるか上空の成層圏(高度約10〜50km)に主に存在して、生物にとって有害な紫外線を吸収し地球上の生命を守っています。最上層から地上までのすべての大気を、1気圧、0度にして圧縮すると約8,000mの高さになるのに対し、全ての大気中のオゾンを同じように圧縮したら約3mm分の高さになります。このオゾンの量を表すのに「DU(ドブソン・ユニット)」という単位が使われ、3mmの全オゾン量は300DUに換算されます。「オゾンホール」とは、南極域のオゾン全量が220DU以下となる領域のことをあらわしています。

ここ四半世紀の間、人間の作り出したフロンガス等によって南極上空でオゾンホールが形成されるなど、大規模なオゾン層破壊がおきています。オゾン層の破壊をくいとめるため国際的な合意のもとフロンガス等の規制が行われており、成層圏でのオゾン破壊物質の濃度は今後緩やかに減少していくとされています。しかし現在においても非常に大きな規模のオゾン層破壊がおきており、今後もオゾン層の変動を注意深く監視していく必要があります。当研究室では、数値シミュレーションや観測データの解析等をとおしてオゾン層の破壊とその変動機構を明らかに出来るよう日々研究に取り組んでいます。

下図は気象研究所で独自に開発したオゾン層予測のための数値シミュレーションモデルをもちいて、過去25年間のオゾン層の変動を再現したものです。この数値モデルによる結果は、以下に挙げられるような観測事実とよく似た特徴を再現しています。

fig1
図1.気象研究所で開発した数値モデルが再現した過去25年間(1980年〜2004年)オゾン全量の時間―緯度断面図。 単位はDU(ドブソンユニット)。

このようにオゾン層の破壊は、南極域にかぎらず両半球の中・高緯度域まで広がっていることがわかります。数値モデルの開発を推進し最新の観測データの解析と併せてオゾン層の詳細な変動機構を明らかにすることは、これからも必要な研究になると考えられます。


図2.オゾン全量の年々変化傾向(トレンド)(単位は DU/年)。陰影は統計的に有意(95%)な領域。月−緯度断面。 (左図)気象研究所の数値モデルの結果 (右図)衛星TOMSによる観測結果(灰色の部分は観測出来なかった領域)。

紫外線予測業務への応用

気象庁では、気象情報やインターネットを通じて紫外線に関する情報を提供しています。この紫外線情報では、 国内3ヶ所(札幌・つくば・那覇)で観測された紫外線量とともに、今日・明日の紫外線量の予測が提供されています。気象研究所で独自に開発したオゾン層予測のための数値モデルが、紫外線予測の計算に用いられています。

オゾン層や紫外線についての関連情報


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